Texts From Articles (25)
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藤森照信|第五回旧閑谷学校講堂の〈火灯窓〉日本らしくない日本の窓
…て造りも大きく異なる。禅宗様建築の部材を下から上へとたどると、礎石は「礎盤(そばん)」、入口は「桟唐戸(さんからど)」、窓は「火灯窓」、欄干は「連子窓(れんじまど)」、組物は「詰組(つめぐみ)」、梁は…
22 Feb 2023
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藤森照信|第四回 旧グラバー住宅の〈フランス窓〉インドから日本へとたどり着いた窓
…国中の日本に開国を迫り、日本国内は鎖国派と開国派が入り交じって小さな内戦をし、開国派が勝利を収め、江戸幕府に替わって明治の新政府が成立するが、その短い内戦の時期に、二つのビルディングタイプの中にウィン…
10 Nov 2022
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金野千恵(建築家)「窓からみた健康へと向かう建築」
…される異なる健康窓シーンを比較することで見えてきます。凸凹保育園では先生が窓を開閉したりカーテンや網戸といった設えを活用することで子供達のために細やかに環境を調整しています。 ,,3つ目が、『環境の変…
26 May 2023
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西川純司(社会学者)「近代日本における感染症と微気候をめぐる実践」
…本的な療養方針です。ただ窓を開けておくと安全上も良くないので、回転式の欄間(1)や、換気窓(2)、網戸を用いた窓や戸(3)といった工夫がされていました。 ,,さらに、家の中で病室を確保できない場合は母…
04 Apr 2023
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奄美編 島口(徳之島母間方言)における「まど」
…じである 2。 ,かつて、島で一般的であった茅葺きの家には、木の板からなる「やどぅ[jadu](家戸)」 3はあった。しかし、ガラスが嵌め込まれた「窓」はなかった。茅葺きの家は、「やどぅ」の部分を除…
10 Aug 2022
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藤森照信|第三回 三田演説館の〈上げ下げ窓〉
…いが、その肝心のガラスが近代以前の日本にはなかったのだから、仕方ない。 というとすぐ、薩摩切子とか江戸切子とか、喜多川歌麿の名作「ポッピンを吹く女」に描かれているポッピンとか、人によると正倉院に伝わる…
24 Aug 2022
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藤森照信|第二回擁翠亭の〈十三窓〉茶室がたどり着いた多様なる窓
…」を1件ずつ紹介するシリーズ企画。第2回目に取り上げる建物は京都に再建された茶室、〈擁翠亭〉です。江戸時代初期を代表する茶人、小堀遠州の作によるもので、三畳台目の小さな空間に13もの窓が設けられていて…
24 Mar 2022
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藤森照信|第一回 平野家住宅の〈ガラス戸〉光を通す魔法の障子がやってきた
…画。第1回は、明治から昭和初期にかけて住宅作家として活躍した保岡勝也の設計による平野家住宅の〈ガラス戸〉を採り上げます。和風住宅でも当たり前のように使われる〈ガラス戸〉ですが、これを実現させた初期の例…
09 Dec 2021
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堀江敏幸|気泡に封じ込められた微笑──夏目漱石『硝子戸の中』から
夏目漱石の晩年の作、『硝子戸の中』。「私」は部屋の中から、うつろう日々を見つめつつ、過去の記憶にも思いをめぐらせます。そんな趣深い小品を読み解くのは、作家・フランス文学者の堀江敏幸さん。漱石を愛読し、…
23 Dec 2020
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無窓性、あるいは消える小さな窓—サミュエル・ベケットの世界観
…ell” と訂正した。その詳細は、「〈無窓性〉再考:サミュエル・ベケットの〈バロック的唯我論〉」(神戸女子大学文学部紀要、第50巻、pp. 49-60.)に書いたので参照していただきたい。 3 : 「…
17 Feb 2021
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金野千恵/t e c o『向陽ロッジアハウス』
…科大学奨学生。2011年東京工業大学大学院博士課程修了、博士 (工学) 取得。2011-2012年神戸芸術工科大学大学院助手、KONNO設立。2013年より日本工業大学助教。2015年t e c o設…
27 May 2016
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Ⅱ 「見えない光」と窓
日本における「窓が増える社会」は、明治以降にやってきたと考えられます。ガラス窓が一般住宅に普及し始めるのも、大正・昭和初期からです。この時期はちょうど、資本主義が発達し都市文化が繁栄する時代と重なって…
16 Feb 2017
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藤森照信「穴」
《空飛ぶ泥舟》や《草屋根》、《多治見市モザイクタイルミュージアム》をはじめ、木や土、植物など自然を生かした独創的な建築を手掛けてきた藤森照信氏。本レクチャーでは、歴史家である氏が窓の原初としての「穴」…
15 Jun 2021
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第7章 雨戸・窓用シャッター・網戸など
窓のディテールを読み解く この連載では、我が国におけるアルミサッシの初期の変遷の概要について述べてきたが、開口部関連アルミ製品としては、雨戸・窓用シャッター・網戸・出窓・サンルーム・天窓などのサッシ関…
20 Oct 2015
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第3回 チロエ島 カモメが舞う場所
…ゴやバルパライソといった中央部の地中海性気候の地域でよく見受けられた、爽快に開け放つことができる引き戸をあまり見かけることはない。やはり多雨でありながら基本的に低湿冷帯なので、どちらかというと気密性を…
30 Jun 2015
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第2回 バルパライソ ─瞳の奥の楽園─
…ていたトタンを型枠としてモルタルを打ち、波打つ無口なファサードをこしらえた。ただしアクセスの扉の引き戸は大きく開け放つことができ、その視線は内部の生活を通り抜け太平洋の水平線へとたどり着くことができる…
23 Mar 2015
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第1回 アンデス山脈水平事情
この窓に関するコラムをどう展開していくべきか、少し戸惑っている。というのも柱、床、階段、屋根などなど数ある建築を構成する要素の中で、僕はこれまであまり「窓」というものについて注意を払ってこなかった。な…
05 Dec 2014
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VOL.1 日本語における窓
…連載では個別の言語における「まど」を表す語を具体的にみていく。 日本語における「窓」は、語源が「目の戸」であることから、3つめの「展望」機能を重視するタイプに属する。 まずは、日本語の表現形式における…
19 Aug 2013
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堀江敏幸『戸惑う窓』
窓の前に立ったとき、ふと浮かんだ感情から内なる宇宙にとびたつエッセイ集。 筆者は初めの章でこう述べます。『窓とはいったいなんだろうか? (中略) 窓について考えるたびに私は戸惑う。それどころか、とまど…
15 Jul 2014
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VOL.6 最終回 まど文化論 言語学的考察のさらなる展開に向けて
…ことは、日本語の「窓」の語源と意味拡張の背景にある考えを示唆してくれる。日本語の「窓」の語源は「目の戸」である。身体を基盤として窓を捉えていることが分かる。そして、その「展望」機能を共通項として、「目…
15 Jul 2014
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VOL.5 まどの対照言語学 日独英伊のイディオム比較対照をもとに
…える。 日本語に特徴的なのは、窓の開閉機能を強調する表現である。これは、日本語の「窓」の語源が「目の戸」であることと関係しているのだろう。当該の語を生んだ認知基盤が、意味拡張の展開にも影響を及ぼしてい…
03 Apr 2014
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VOL.4 イタリア語におけるfinestra
…utile serrar finestre e porte (女性が死ぬほど恋しているときには、窓や戸を閉め切っても無駄である=愛は盲目) (Guazzotti/Oddera 2006: 232) …
10 Feb 2014
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VOL.0 対照語源学からみる諸言語におけるまど
…「窓」もこのタイプに入るようである。『広辞苑』 (第6版、2008) には、「 (「目門」または「間戸」の意か) 」とある。前田富祺監修『日本語源大辞典』 (2005) では、「「ま (目) と (門…
24 May 2013
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VOL.3 英語におけるWindow
… the window and goes out at the door. (愛は窓から入ってきて、戸口から出て行く。) 、To a fair day, open the window, but ma…
16 Dec 2013
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VOL.2 ドイツ語におけるFenster
…との接点は、敵の侵入を防ぐために強固にしつらえられた窓であった。つまり、無駄なものを捨てるとなれば、戸外に出る必要はなく、直接窓から捨てればよかったのである。 ―古代ゲルマンの「まど」を想起させるFe…
18 Oct 2013