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第5回 窓をかさねて、とおりぬける
なぜ窓ではなかったのか。私が企画した展覧会「メディウムとディメンション:Liminal」のカタログに寄せた自身のテキストのタイトルは「Apa…
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ジャン・プルーヴェの窓 #3 ――《ヴィルジュイフの仮設小学校》の窓
…ィテール』no.162、彰国社、2004 横尾真、小林俊雅、石田潤、岩岡竜夫「ジャン・プルーヴェ研究 その1 特許(パテント)と建築作品の関…
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藤森照信|第七回 臨春閣の〈障子〉
…床柱、付け書院を一組にして床の間が成り立つのは書院造からの定石だが、棚ににぎやかな螺鈿らでんなどは書院造では御法度だし、左手の付け書院もちゃ…
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フランソワ・シャルボネ(Made in)
…サードのデザインに関しては、詳細に詰めてはいませんが、重厚な石の塊のような本館と抽象性の結晶のような新館の対比を生み出しています。 より最近…
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吉村順三・奥村昭雄「愛知県立芸術大学」の窓 自然と棲まう具体の科学
…廊下へ戻って、奏楽堂とは反対に西の方へ歩く。途中に立ち寄った石膏室からは「透き通し」と呼ぶキャンパスの軸がよく見える。このとき、渡り廊下のP…
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第10回 波打つ学校 陳仁和《三信家商波浪大樓》(高雄)編
…置を工夫したという感じが伝わってくる。床も台湾で一般的な人造石研ぎ出しとなっており、教会に並ぶベンチも鉄パイプと木の板でできたシンプルなもの…
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ザ・プリンス 軽井沢:清家清の窓の素材性
…なしています。屋根からの雨落ち部分の犬走には浅間山からの溶岩石が敷き並べてあります。 次にパブリック棟にあるロビーとレストランについて見て…
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第9回 風の吹く県庁舎 象設計集団《宜蘭県庁舎》編
…るが、これはよく見ると、ピンク色の研ぎ出し仕上げ(台湾では磨石子(モーシーズ)と言う)でつくられている。この左官技術は台湾建築を語る上では欠…
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藤森照信|第五回旧閑谷学校講堂の〈火灯窓〉日本らしくない日本の窓
…や硬い板床に座しての瞑想こそ是とし、庭も、岩と砂を主役とする石庭と化す。 今は禅宗の器として新たに導入された建築のことを禅宗様建築、そして平…
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「札幌の家・自邸」の試み
北海道を代表する建築家・上遠野徹(1924-2009)による「札幌の家・自邸」は、コールテン鋼の鉄骨フレームによるカーテンウォール、複層サッ…
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藤森照信|第四回 旧グラバー住宅の〈フランス窓〉インドから日本へとたどり着いた窓
…ばそれで建築の構造体は出来上がるから、ヨーロッパなどのように石や煉瓦を積んで壁を作る必要はなかったからだ。壁がなければ窓は生まれない。日本列…
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第7回 山を降りるスレートの村 屏東編
…おいては、かなり貴重な資料となっている。それらの家は基本的に石か木を使った素朴なものであるが、その中でもパイワン族(原住民の中で二番目に大き…
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聖なる侵入アルド・ロッシの窓
…ける。バタイユの小説では、主人公トロップマンの幻視が、窓辺の石像の騎士をめぐる不安から、夜の墓地での交接の際に見紛う「空の青み」の描写へと至…
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黒石いずみ(建築理論家)「窓をめぐる生活世界のコロナ考現学」
…る研究成果報告を配信しました。本記事は登壇者のひとりである黒石いずみ氏(建築理論家)の講演内容を再構成したものです。 2019年から現在…
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土居義岳(建築史家)「19・20世紀フランスにおける初期環境工学的アプローチによる住宅計画」
…す。それから当時の「家族生活」理念が、そこはかとなくアーチ要石上のレリーフとなって彫られております。 パリ市が公共住宅のコンペをするのですが…
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藤森照信|第三回 三田演説館の〈上げ下げ窓〉
…築で防火のために工夫されたのだろう。城の実例としては金沢城の石垣の上の塀が名高いが(ただし斜めではなく垂直・水平)、その他は知らない。 派…
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第5回 辺境の小窓 馬祖・後編
辺境の地の民宿で、新年の朝を迎えた。友人たちが起きてくる前に、静かな民宿の実測をする。 外からは平屋のように見えたこの石積みの建物の中には屋…
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大崎漆器店 通り土間/漆と高窓
…梁は全て拭き漆塗りである。 大崎漆器店 通り土間 (輪島塗/石川県輪島市) 本コラムは、世界の窓辺とそのふるまいについて、東京工業大学 塚本…
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第4回 辺境の小窓 馬祖・前編
…やまない。 島には古い集落が結構残っている。密に立ち並ぶ切石積みの民家は、台湾本島では見たことのないものだ。この島の大部分は白沙花崗岩でで…
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第0回 古今東西のマドソト建築 加藤耕一 × 大西麻貴+百田有希(o+h)× 伏見唯
…るように集落が出来上がっています。ツマドの庭のほうは目の前に石垣がありますが、そこから水が出てきます。それを使った池があり、そこに光が落ちて…
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第1回 吉村順三《旧・園田高弘邸》(現・伊藤邸)庭へ誘う掃き出し窓と、 場所をつくる腰窓
…60mm)とかなり低い。腰壁から天井いっぱいに窓が入り、乱形石の床と落ち着いた明るい色味の天井面が好対照をなして、ソファの上では天井が、テラ…
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三岸アトリエの窓、変化と継承
…向こうには、現在あるような塀や住宅はまだ存在せず、門を入って石畳の通路を進むシークエンスの先には、格子の窓枠を通して木立のある風景が見えてい…
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藤森照信|第二回擁翠亭の〈十三窓〉茶室がたどり着いた多様なる窓
…鴨居を水平の枠として四角に作られるのに、この建築はそうした定石を無視し、柱と柱を中間で水平に区切ったりはまだしも、欧米のように壁の一部をくり…
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角海家/望楼の窓
石川県輪島市黒島門前町にある廻船問屋。明治4年(1871年)の大火により1度焼失したが、翌年に再建された。主屋の一角の望楼から日本海を望むこ…
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第3回 涼亭の行方 蘭嶼・後編
…たんだよ。」 ここに住むおばさんは言う。ここでは、伝統家屋と石垣は壊され、埋められ、何百年もかけて形づくられていた複雑なランドスケープは、車…
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第2回 埋もれる黒屋根 蘭嶼・前編
…屋がポツポツと点在しているのが見えた。家の周りの地形はすべて石垣で手を加えられ、家とセットで台風への防御のために造形されている。今までに見た…
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ジャン・プルーヴェの窓 #2──プルーヴェ自邸の窓
…: 書斎の窓 個室群のひとつで、建物の最西端に位置する書斎の石壁には、小さな窓が設けられている。初期のアイデアでは扉として設計されており、東…
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ジャン・プルーヴェの窓 #1──ディテールに宿る4つの構築的特徴
…53-858 日本建築学会 2015. 横尾 真 小林俊雅 石田潤 岩岡竜夫: ジャン・プルーヴェ研究 その2: システムデザインについて …
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旧杉原家住宅/養蚕農家の反復窓
石川県白山市にある民族資料館。嶋村(現在の白山市桑島)に1864年に建てられた旧豪農の民家を移築してつくられた。江戸時代までは主屋の2、3階…
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最終回 窓からのぞいたアジア
…のである。 またインド・キナウル地方の「張り出しの村」では、石とヒマラヤ杉を交互に積んだ重量感のある壁面に開けられた小さな窓と、そこから張り…
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ペーター・メルクリ
…した工夫や改良を施すだけの技量が身についていなかったので、定石どおりに各窓を部屋の中心線に揃えて穿つしかなく、よって窓割りが左右非対称ではあ…
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滝口悠生|第4回 アルメニアのアラム
…く生気のないその“コミュニスト高層建築”は、悪魔的な動物の化石のように見えた。そして人々は化石の骨の間で危険と恐怖から身を隠して暮らしていた…
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第34回 イスラエル・エルサレム編 「聖地の生活」
…の窓越しに、空から見たあの白い大地が広がっている。土地全体が石灰岩質で出来ているのだ。エルサレムはその丘の上にある。 トラムが走る近代的な新…
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ジョン・A・カミナダ
…ものと、視線に反発するものがあるということです*4 。 ──石造の基部にある開口部についてもお聞かせください。本来はもっと小さく、光と風を取…
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第33回 エジプト・ナイル編 「ナイルを駆け抜ける」
…ちゃとしていて、誰かの倉庫に迷い込んだようだった。 そこには石やら宝石やらによって拵えられた、動物と人間の混じり合う奇想天外な像の数々が並ん…
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マリオ・ボッタ
…ロックを使っているので、必然的にそうなるのです。見た目にも、石積みならまだしもコンクリートですから、アーチにしたほうが映えます。円形は開口部…
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Ch.3 ビューファインダー/透明性と窃視
…ー、 (vi) 疑いというテーマが与えられている。 平坦な墓石のような構造物に小さな窓が開いており、そのなかをのぞき込むと、ファイバーグラス…
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第32回 エジプト・カイロ編(2) 「アーチに向かう」
…の平面をもつ巨大なモスクである。中に入ると、約150本の白い石柱が等間隔で連続する森のような空間が、中庭を囲んでいる。これはムハンマドが自ら…
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第31回 エジプト・カイロ編「複合する街」
…なんかを覗きながら街を歩いていると、通りの角に何やら古そうな石積みの建物を見つけた。 建物は一階に牢獄のような大きな格子状の開口部をもち、二…
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Gigon / Guyer(ギゴン/グイヤー)
…”な壁の質感を出しています。ここでの窓は外壁にはめ込まれた宝石のような存在と言えるかもしれません。 グイヤー 見付けの太いアルミサッシュには…
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第30回 ヨルダン・ペトラ編「大地を直感する」
…かしヨルダン南西部の古代遺跡・ペトラでは、なによりもその「岩石」としての遺跡の存在に最も驚かされることになった。 「シーク」という1kmを超…
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第29回 イラン・エスファハン編「宗教と街」
…く残っている。それはいつしか本来の機能を超えて、レンガ、木、石などを使って自由自在に装飾として発展していったようだ。 エスファハンは特にタイ…
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Ch.2 フレーム―視覚的な装置、あるいはトロンプ・ルイユ(だまし絵)としての窓
…真っ黒で不明瞭な背景の前にひしめきあう緊密な構図全体が、大理石の窓枠に納まっている。そして、こちら側に突き出ている聖母マリアの肘や彫刻のよう…
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第28回 イラン・マースーレ編「ずれる窓」
…はエジプトの住宅で普及していたものらしいが、インドの宮殿でも石板を細かく彫ることで同様の機能をもたせた窓が残されており、イスラム世界に広く行…
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第26回 イラン タフテ・ソレイマーン編「囲うことから」
…が、火を「囲う」(安置する)閉鎖的な空間のために、木材でなく石や土で覆う空間が求められたとすれば、アーチやドームという建築技術の発達とも、深…
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上げ下げ窓
2枚以上の戸を平行した2本以上の溝またはレールの上を鉛直移動させることによって開閉する窓を「上げ下げ窓」と呼び、上下2枚とも動く。主にイギリ…
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第4回 ボルミダ渓谷・段々畑の赤ワイン
…谷の段々畑にはモルタルやセメントは用いられず、代わりにランガ石(Langa Stone)と呼ばれる地域に広く採石される石のみを積み上げてつく…
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第25回 イラン・タブリーズ編「都市はバザール」
…ザールのなかを歩きまわることにした。 バザールには衣服から宝石、食物や雑貨などあらゆるものが売られていて、商品によってエリア分けされている。…