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第6回 記憶をもった窓
私は幼少期から絵を描くのが好きで、以前はキャンバスやパネルを支持体に、油絵の具を用いて、自らの手と絵筆を介して絵画を描いていた。そこから現在…
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葉祥栄 光をめぐる旅――イントロダクション
…きるのではないだろうか。 光学器械のような葉の眼差しは極端に近代的だと筆者は思う。しかし、それは自然を飼いならす近代ではない。自然現象を客体…
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ジャン・プルーヴェの窓 #3 ――《ヴィルジュイフの仮設小学校》の窓
…として認定されることはなかったが、それらの一部は現在、パリ市近代美術館(Musée d’art Moderne de Paris…
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原広司「粟津邸」の窓 闇を照らす光の空間
原広司設計の「粟津邸」が、このたび継承への道を模索することとなった。世界的なグラフィックデザイナー・粟津潔の自宅兼アトリエで、ここから数々の…
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第11回 どこかでつながり、どこまでも抜けていく 陳其寬《東海大学衛理会館》編
…ペイによる《ルース・チャペル》(1963)は特に有名で、台湾近代建築史に輝く名作である。 キャンパスの実施設計者としてペイに協力するかたちで…
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藤森照信|第八回 軽井沢夏の家の〈横長連続窓〉モダニズムの夢が日本で実現
古今東西の建築を見て回った建築史家の藤森照信氏が、日本全国の歴史的建築から、よりすぐりの魅力をもった「窓」を1件ずつ紹介するシリーズ企画。8…
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藤森照信|第七回 臨春閣の〈障子〉
…う。 数寄屋造の実例として今回取り上げるのは、横浜の三溪園に近代になってから移築保存された臨春閣だ。元々臨春閣は紀州徳川家の別邸・巌出いわで…
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吉村順三・奥村昭雄「愛知県立芸術大学」の窓 自然と棲まう具体の科学
1966年に吉村順三と奥村昭雄の設計で建てられた「愛知県立芸術大学」。キャンパスは緑豊かな愛知県長久手市の丘陵地に建ち、光・空気・音といった…
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第10回 波打つ学校 陳仁和《三信家商波浪大樓》(高雄)編
戦後台湾建築家の第一世代といえば、ヴァルター・グロピウスに師事し、台北の《国父紀念館》など国家的プロジェクトも多く手がけた王大閎(Wang …
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藤森照信|第六回仁和寺金堂の〈蔀〉
古今東西の建築を見て回った建築史家の藤森照信氏が、日本全国の歴史的建築から、よりすぐりの魅力をもった「窓」を1件ずつ紹介するシリーズ企画。6…
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ザ・プリンス 軽井沢:清家清の窓の素材性
建築家 清家清によって1982年に建てられた《軽井沢プリンスホテル新館》(現 ザ・プリンス 軽井沢)。いくつかのプリンスホテルを手掛けた清家…
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第4回 窓に光はとどまるか:栗本百合子さんの窓
…に冷暖房施設、電動シャッター、エレベーターを備えたアメリカの近代オフィスビルに倣った建築 )は、名古屋の広小路通と本町通の交差点にアールをな…
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藤森照信|第五回旧閑谷学校講堂の〈火灯窓〉日本らしくない日本の窓
古今東西の建築を見て回った建築史家の藤森照信氏が、日本全国の歴史的建築から、よりすぐりの魅力をもった「窓」を1件ずつ紹介するシリーズ企画。5…
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「札幌の家・自邸」の試み
…寒帯では無理もない。北海道の開拓は、未開の地をいかに短期間で近代化するかが命題であった。建築においても、海外の北方文化圏から輸入した先進的な…
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ヘルツォーク&ド・ムーロン
…EHABの数年前に実現したミュンヘンの《ゲッツ・コレクション近代美術ギャラリー》(1989-1992)についてお話しできます。作品を展示する…
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第3回 杉浦邦恵 私の窓
…感じた。教科書で見たアート作品が目白押しに並んだニューヨーク近代美術館やメトロポリタン美術館は、本物のパワーを突きつけてきたし、その質の高さ…
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藤森照信|第四回 旧グラバー住宅の〈フランス窓〉インドから日本へとたどり着いた窓
古今東西の建築を見て回った建築史家の藤森照信氏が、日本全国の歴史的建築から、よりすぐりの魅力をもった「窓」を1件ずつ紹介するシリーズ企画。四…
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聖なる侵入アルド・ロッシの窓
…代的共鳴を見出している; 土居義岳『建築の聖なるもの 宗教と近代建築の精神史』東京大学出版会 2020 pp.198-202. また、土居と…
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黒石いずみ(建築理論家)「窓をめぐる生活世界のコロナ考現学」
…けではなく、パンデミックによる住まいの問題は、戦後の都市化や近代化による豊かさの追求そのものが原因になっていることは明らかに分かります。上記…
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西川純司(社会学者)「近代日本における感染症と微気候をめぐる実践」
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するため、2022年4月23日(土)に「WRI session 研究報告会2022」…
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土居義岳(建築史家)「19・20世紀フランスにおける初期環境工学的アプローチによる住宅計画」
…病は襲ってきました。20世紀になってもペストが流行しました。近代建築との関連でいうとイギリスやフランスなどの先進国では、まず衛生法ができて、…
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第6回 誘うチーロウ
…に対応するために清の時代から存在した木造によるアーケードが、近代の都市計画によって、今日目にするような道路両端のチーロウに変わっていった歴史…
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第1回 畠山直哉 鏡なのか窓なのか
…れは僕が大学に入った頃だったから70年代の末か。ニューヨーク近代美術館写真部門にいたジョン・シャーカフスキーという名物キュレーターが、米国に…
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藤森照信|第三回 三田演説館の〈上げ下げ窓〉
…るのは、ガラスのはまった窓にちがいないが、その肝心のガラスが近代以前の日本にはなかったのだから、仕方ない。 というとすぐ、薩摩切子とか江戸切…
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第0回 古今東西のマドソト建築 加藤耕一 × 大西麻貴+百田有希(o+h)× 伏見唯
…経て、東京大学大学院教授。博士(工学)。専門は、西洋建築史、近代建築史、建築理論。 大西麻貴 おおにし・まき/1983年生まれ。2006年京…
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三岸アトリエの窓、変化と継承
昨年(2021年)10月、建築コレクティブGROUPによる「三岸アトリエ」(東京都中野区上鷺宮)の改修工事が完了し、内壁の一部と旧玄関が修復…
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藤森照信|第二回擁翠亭の〈十三窓〉茶室がたどり着いた多様なる窓
古今東西の建築を見て回った建築史家の藤森照信氏が、日本全国の歴史的建築から、よりすぐりの魅力をもった「窓」を1件ずつ紹介するシリーズ企画。第…
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藤森照信|第一回 平野家住宅の〈ガラス戸〉光を通す魔法の障子がやってきた
…至る。近著に『磯崎新と藤森照信の茶席建築談義』(六耀社)、『近代日本の洋風建築 開化篇・栄華篇』(筑摩書房)等、建築史・建築探偵・建築設計活…
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ジャン・プルーヴェの窓 #2──プルーヴェ自邸の窓
「プルーヴェ自邸」は過去に手掛けたプロジェクトの余りものを寄せ集めてつくられた興味深い事例である。連載「ジャン・プルーヴェの窓」の第2回目で…
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ジャン・プルーヴェの窓 #1──ディテールに宿る4つの構築的特徴
金物職人として自身のアトリエを立ち上げながら、ル・コルビュジエをはじめとした先進的な建築家との協働を通して、自身もモダニズムを先導する建築家…
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第34回 イスラエル・エルサレム編 「聖地の生活」
…出来ているのだ。エルサレムはその丘の上にある。 トラムが走る近代的な新市街の中に、重たい石の城壁で囲まれた地区がある。エルサレム旧市街だ。今…
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旧島歌郵便局/木造の窓口カウンター
北海道開拓の村にある明治35年に建てられた木造2階建ての郵便局。1960年に復元された。北海道では明治5年に近代郵便の取り扱いが始まった。こ…
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70年代「Window」スナップからドイツ現代写真へ
…クンストハレ・ベルン、フランクフルト現代美術館、ニューヨーク近代美術館など多数の美術館で展示。2002年にドクメンタ11に参加し、2003年…
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ジョン・A・カミナダ
…を行っています。 スイスの村の特徴も大きく変化してきました。近代化の影響は経済や生産プロセスの規模だけでなく、新しいライフスタイルというかた…
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Ch.3 ビューファインダー/透明性と窃視
…ッパーが盗み見た情景は、《夜の窓》(1928年、ニューヨーク近代美術館)に見ることができる。女性の着替え姿を見つめるこの作品にはエロティシズ…
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窓の短編映画 “柱都”
…ら住戸まで一律の寸法体系によって秩序を保ってきた街区の姿は、近代以降そのうえに異なる新たなモジュールがぶつけられたことで大きく変化する。しか…
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Gigon / Guyer(ギゴン/グイヤー)
…次世界大戦の戦後復興期に入ったヨーロッパでは、それこそ立面を近代建築の諸原則に従わせるべきか否かを巡って侃々諤々の議論が繰り広げられました。…
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Ch.2 フレーム―視覚的な装置、あるいはトロンプ・ルイユ(だまし絵)としての窓
…界、そして探求すべき新しい宇宙へと開かれた窓となっている。 近代になると、額縁は単純化し、黒や白の四角形になった。そして、画面はもはや物体や…
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第27回 イラン・ヤズド編「砂漠で呼吸する」
…オアシスもまた、そのような魅力をもつ都市のひとつだ。今でこそ近代的な建物も見られるが、かつて建築と風景の違いは、砂土を固めてあるかどうかの違…
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Ch.2 象徴と写実
…ンセプチュアルかつメタ言語学的であり、写実主義を超え、極めて近代的な思想に接近している。窓は写真の最も直接的なメタファーとなったが、タルボッ…
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窓─ 建築と共生の境界
…細くし、ほとんど不可視のものをつくろうと努力しました。一方、近代以前の様式建築では、パブリックとプライベートの間を移動するのに数メートルを歩…
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Ch.1 アトリエから見るアーティストの内面
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒからスペンサー・フィンチまで アトリエや机で、最初の一筆を喚起する記憶やインスピレーションをじっと待つかの…
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第6回 老子が残した窓の格言
…って生じる無の空間・場所に重きを置く老子の思考は、アメリカの近代建築家フランク・ロイド・ライトにつよい影響を与えたことでも知られている。たし…
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塚本由晴 窓のふるまい学/前編
…たものなので、人間の生産性が爆発的に増大し移動が自由になった近代以降はもはや成立しない。そのような認識からモダニズムの建築が始まっていること…
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窓の短編映画 “THE CORALLUM”
…沖縄という島全体を形成し、ひいては伝統的住居の礎石、あるいは近代化を支えたコンクリートとしてその様態を変化させつつも時をこえて都市を構成して…
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第20回 インド・キナウル地方「張り出しの村」(後編)
一晩で縫いあがったズボンを受け取りに、小さな村を歩いて再び家を訪ねた。お母さんは羊毛から生地を織り、それをお父さんがズボンに仕立てるらしい。…
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窓は哲学的な問題である
小渕祐介氏による連続インタビューの最終回は、ハーバード大学、クーパー・ユニオンの教授であり、世界的な建築批評家であるジェフリー・キプニス氏。…
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空間を生かすも殺すも窓次第
…ガラス張りで透明になると、「私たちは透明で、ダイナミックで、近代的です」というメッセージになりました。今ではもう関係ありません。というのはA…