CCA-WRI Research Fellowship Program
Above/Below/Between: Light on a Damaged Planet
窓研究所とカナダ建築センター(CCA)が共同で実施する本プログラムでは、2022年から2024年までの3年間、「Above/Below/Between: Light on a Damaged Planet」を研究テーマとして取り上げました。異なる専門分野から、各年3名、計9名のフェローが参加しました。

© CCA and WRI. Photo: gideon-jamie
研究テーマ(2022–2024)
光は長らく、建築や都市空間における衛生を支える要素として重視されてきました。しかし、気候変動やエネルギーをめぐる課題が深刻化する現在、光と建築環境の関係は、衛生だけでは捉えきれなくなっています。本プログラムでは、疫学や労働形態の変化、代替エネルギーの必要性にも目を向けながら、「Above(上空)」「Below(地下)」「Between(その間)」という3つの視点から、建築環境における光の役割を再考しました。
光と建築環境の関係を異なる専門分野から捉えるため、3年間にわたり、建築、地理学、人類学、視覚芸術などの分野から9名のフェローを迎えました。毎年3名がCCAに滞在し、各年のテーマを起点に個別の研究を進めました。CCA所蔵のアーカイブ資料や図書資料を参照し、互いの研究について議論を重ねることで、それぞれの視点から光と建築環境の関係を考察しました。
2022年は「Above」を切り口に、日光を都市の共有資源として捉え、建物や都市空間との関係を考察しました。モントリオール、ロンドンのイーストエンド、ニューヨークを対象に、高層建築の設計や、人々が日光を享受できる条件に目を向けました。
2023年は「Below」に着目し、商業施設やデータ保管、戦争や気候災害からの避難など、さまざまな目的で利用される地下空間を取り上げました。CCAの所蔵資料を手がかりに、アメリカ中西部における設計改革の歴史、日本の災害対応、旧東ドイツにおける資源をめぐる政治を研究し、地下空間が担ってきた役割を検討しました。
2024年は「Between」に焦点を移し、太陽に依存する地球環境において、大気と大地の間に生じる現象を探究しました。炭素の燃焼や工業生産、森林火災に伴う大気汚染と、その影響を軽減する取り組みを取り上げました。また、太陽をエネルギー資源としてだけでなく、生命を脅かす高温をもたらす存在としても捉え、建築環境との関係を考察しました。
研究プロジェクトおよびフェロー
2022 Above
- A new building under the sun
キャスパー・レイン・エベンスゴー(イースト・アングリア大学)
- Made of Sunshine: Urban Commons and Real Estate, Montréal, Canada
アリーナ・ナズメーヴァ(マサチューセッツ工科大学)
- Working Skill Sets
ジェシカ・ヴォーン(テンプル大学)
2023 Below
- Earth-Shelter Builders and the Code
アンドレア・アルベルト・ドゥット(アーヘン工科大学)
- The Under- and Overground Built Environments of the Soviet-German Uranium Mining Corporation Wismut
オクサナ・グリノヴィッチ(アーヘン工科大学)
- Visual Function in Earth shelters from the viewpoint of emergency sustainability
宮田智美(東京工業大学)
2024 Between
- Mediating Light: The Architectures of Photographic Production
エミリー・ドゥーセット(マギル大学)
- All of the Above: A Global Future of Energy
ギョクチェ・ギュネル(ライス大学)
- Salt and Land: Shifting Territories of the Salt Production Sites in the Seto Inland Sea
中本陽介(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)
※所属・役職は参加当時のものです。
公開シンポジウム
アドバイザリー委員
・ジョンユン・キム(PARKKIM/ハーバード大学デザイン大学院助教授)
・ギョクチェ・ギュネル(ライス大学准教授)
・篠原雅武(京都大学大学院総合生存学館[思修館]特定准教授)
・塚本由晴(アトリエ・ワン/東京工業大学大学院教授)
・ダニエル・バーバー(シドニー工科大学建築学部学部長)
・ジョヴァンナ・ボラージ(カナダ建築センター館長)
・ラフィコ・ルイス(カナダ建築センターリサーチ部門代表)
フェローシップについて
本プログラム全体の情報や、最新の活動については、こちらのページをご覧ください。





