WINDOW RESEARCH INSTITUTE

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CCA-WRI Research Fellowship Program Above/Below/Between: Light on a Damaged Planet

A new building under the sun

太陽のもとに立つ新たな建築

本プロジェクトでは、ニューヨークとロンドンの高層建築の設計・建設を通じて、垂直に広がる都市における光と闇の分布や、それらを享受できる条件に、どのような偏りが生まれるのかを探る。垂直性と光をめぐる政治的な関係を読み解き、高層建築が光と影の配分を変えるあり方に目を向けながら、人々が暮らす場所との深い関係を築くことが、その設計によってどのように支えられ、あるいは妨げられるのかを考察する。高層建築は、人々と生活環境との関係をどのように形づくるのだろうか。夜間に眺められ、生活の場として使われることを想定して、人工照明はどのように設計されているのだろうか。そして、その影のもとで生活し、働くことを余儀なくされる人々の暮らしの質に、どのような影響を及ぼしているのだろうか。

こうした問いと、傷ついた地球の地表の上・下・間にある光について考えるというCCA-WRI Research Fellowship Programの呼びかけに応答するため、本プロジェクトでは、自然光と人工光を分析の糸口に据える。そこから、高層建築の設計・建設が、人々と生活環境との結びつきをどのように形づくるのかを探っていく。研究の基盤となるのは、2022年夏にCCAで実施したアーカイブ調査である。この調査で取り上げた二つの異なる事例を照らし合わせながら考察を進める。一つは、ニューヨークのシーグラム・ビルの設計である。「光の塔」として構想されたこの建築は、精緻な照明計画によって「太陽のもとに立つ新たな建築」を実現した。もう一つは、ロンドンで計画が進むホワイトチャペル・エステートの影に入る近隣の建物である。異なる所有・賃貸形態の住戸を含むこの高層複合開発は、「あらゆる日光を遮る」タワー建築を生み出す。

光、影、闇に目を向けた高層建築の設計は、人々の豊かな暮らしを支える可能性を示す一方で、垂直に広がる都市で生きるための条件を脅かしてもいる。本プロジェクトは、こうした両面を批判的に検討する。光という根源的な要素を分析の軸に据えることで、人々の身体が光の垂直軸に沿って上下へと押しやられ、引き寄せられるなか、高層建築の建設を通じて、どのような生のあり方が思い描かれ、また切り捨てられているのかに目を向ける。

キャスパー・レイン・エベンスゴー/Casper Laing Ebbensgaard

2022 CCA-WRI Research Fellow

イースト・アングリア大学の人文地理学講師。光などの自然環境を構成する要素と、建築設計や都市計画によるその操作が、人間と環境との関係をどのように形づくるのかを研究している。都市における不平等や不公正の空間的な広がりを生み出す建築の役割に目を向け、垂直に広がる都市、夜の都市、そして採掘や資源採取が行われる暗い地下世界を対象に、人々の感覚や感情をめぐる政治的な関係を考察する。

民族誌的な調査を基盤に、アーティスト、都市デザイナー、地域団体との創造的な協働にも取り組んでいる。こうした協働を通じて、都市の不均衡な権力関係のもとで生きる人々の感覚や経験を、より広い層の人々が実感できる表現として共同制作するとともに、都市でより公正に、持続的に共に暮らすための提案を展開している。Leverhulme Early Career FellowshipやCCA-WRI Research Fellowshipなど、複数の研究助成を受けている。