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CCA-WRI Research Fellowship Program 2022-2024 過去のイベント

CCA-WRIシンポジウム 2023「Underground Anxieties」

公益財団法人 窓研究所

10 AUG, 2023

Keywords
Architecture
Talk Events

2023年8月10日(木)、公益財団法人 窓研究所はカナダ建築センター(CCA)とともに、同センターにてシンポジウム「Underground Anxieties」を開催し、その様子をオンラインで配信した。本シンポジウムは、「Above/Below/Between: Light on a Damaged Planet」をテーマとする「CCA–WRI Research Fellowship Program 2022–2024」の2年目の取り組みとして実施され、各フェローの研究の方向性を示す場となった。

本年度は「Below」に焦点が置かれ、地下空間をめぐる利用や実践の変化が、光環境を含む多様な観点から検討された。前半では、2023年度フェローであるアンドレア・アルベルト・ドゥット、オクサナ・グリノヴィッチ、宮田智美の3名が、それぞれの研究を発表した。

ドゥットは、1970年代後半のアメリカにおいて、カウンターカルチャーのなかで地下建築が広がっていった過程を取り上げた。オイルショック後の住宅費高騰を背景に、アマチュアによる実験的な地下住居が広がり、既存の制度に収まらないかたちで独自の生活様式と結びついた設計が生まれていた点が示された。

グリノヴィッチは、ソ連・ドイツのウラン採掘企業Wismut AGとカナダのEldorado社を対象に、核時代を支えた採掘産業がもたらした環境と社会の構造を考察した。地下での採掘の論理が地上の空間構成にも影響を及ぼし、インフラが都市や居住環境の形成において重要な役割を担うようになる過程が示された。

宮田は、長期滞在を前提としたシェルター空間における光環境と視覚環境について、民族誌的手法による研究を紹介した。あわせて、CCAのオフィスや研究空間を対象とした調査をもとに、光の条件が人間の行動に与える影響についての仮説を提示した。

後半では、本プログラムのアドバイザリー委員である塚本由晴とキム・ジョンユンが各発表に応答し、その後ディスカッションが行われた。地下という環境をめぐる歴史的・社会的背景を踏まえつつ、現代における建築や環境との関係について議論が交わされた。

本シンポジウムは、プログラム2年目の研究の広がりを示すとともに、「Below」という視点から地下環境と建築の関係を捉え直す機会となった。

開催情報
日付:2023年8月10日(木)
時間:9:00–12:00(EDT)/22:00–翌1:00(日本時間)
会場:カナダ建築センター(カナダ・モントリオール)
視聴方法:Zoomによるオンライン配信(無料)

登壇者および発表テーマ
アンドレア・アルベルト・ドゥット(アーヘン工科大学)
Earth-Shelter Builders and the Code
オクサナ・グリノヴィッチ(アーヘン工科大学)
The Under- and Overground Built Environments of the Soviet-German Uranium Mining Corporation Wismut
宮田 智美(東京工業大学)
Visual Function in Earth shelters from the viewpoint of emergency sustainability

ゲスト(アドバイザリー委員)
塚本由晴(アトリエ・ワン/東京工業大学大学院 教授)
キム・ジョンユン(PARKKIM/ハーバード大学デザイン大学院 助教授)
モデレーター
ラフィコ・ルイス(カナダ建築センター アソシエイト・ディレクター/研究部門代表)

主催
カナダ建築センター、公益財団法人 窓研究所

※登壇順、敬称略

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