CCA-WRI Research Fellowship Program 2022-2024 過去のイベント
CCA-WRIシンポジウム 2024「Energy Always」
6 AUG, 2024
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2024年8月6日(火)、公益財団法人 窓研究所はカナダ建築センター(CCA)とともに、同センターにてシンポジウム「Energy Always」を開催し、その様子をオンラインで配信しました。本シンポジウムは、「CCA–WRI Research Fellowship Program 2022–2024」の最終年の取り組みとして実施され、各フェローの研究の方向性を示すとともに、プログラム全体を総括する機会となりました。
本プログラムは、「Above/Below/Between: Light on a Damaged Planet」を全体テーマとして実施されており、本年度は「Between」に焦点を当てました。大気と地表のあいだに立ち現れる現象に注目しながら、太陽エネルギーに依存する環境としての地球の状態を捉え直すとともに、光がどのように広がり、私たちの生活や環境に影響を与えているのかが検討されました。化石燃料の燃焼がもたらす影響や、世界的に深刻化する大気汚染を背景に、人間の活動がどのような条件のもとで成り立っているのかが議論の中心となりました。
前半では、2024年度フェローであるエミリー・ドゥーセット、ギョクチェ・ギュネル、中本陽介の3名が、それぞれの研究を発表しました。
ドゥーセット氏は、イーストマン・コダックのグローバルな企業活動に関するアーカイブ調査をもとに、同社の商業的成功を支えてきた素材や化学薬品、労働力、通信システム、輸送インフラ、法制度、貿易政策といった多様な要素の連関を明らかにしました。また、メディア産業が環境に及ぼしてきた影響に関する近年の研究を踏まえながら、写真産業の歴史を地政学的な視点から捉え直す試みが示されました。
ギュネル氏は、新著『Floating Power』を手がかりに、エネルギーインフラを直線的な時間軸上の「進歩」として捉えてきた理解を批判的に検討しました。「間にある状態(between)」に注目することで、発電船に代表される化石燃料依存の暫定的な電力インフラが、エネルギー転換の過程を単純な移行ではなく、複雑なものとしている状況を示しました。
中本氏は、瀬戸内海地域における製塩業の近代化を取り上げ、それに伴って生じた「物質代謝の亀裂(metabolic rift)」という概念をもとに、環境とエネルギーの関係を再考しました。この概念はマルクスによる資本主義的農業批判に由来するものであり、伝統的な製塩技術から機械化された生産プロセスへの移行をたどることで、沿岸地域のコミュニティと土地との関係がどのように変化していったのかが示されました。
後半では、本プログラムのアドバイザリー委員である塚本由晴氏、ダニエル・バーバー氏、篠原雅武氏に加え、CCAおよび窓研究所の関係者が参加し、各発表を踏まえたディスカッションが行われました。
本シンポジウムは、プログラム最終年度における研究の広がりを示すとともに、「Between」という視点を通して、環境と建築における光の関係を捉え直す機会となりました。
開催情報
日付:2024年8月6日(火)
時間:17:00–20:00(EDT)/翌6:00–9:00(日本時間)
会場:カナダ建築センター ポール・デマレ・シアター(カナダ・モントリオール)
視聴方法:Zoomによるオンライン配信(無料)
言語:英語
登壇者および発表テーマ
エミリー・ドゥーセット(マギル大学)
「Mediating Light: The Architectures of Photographic Production」
ギョクチェ・ギュネル(ライス大学)
「All of the Above: A Global Future of Energy」
中本 陽介(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)
「Salt and Land: Shifting Territories of the Salt Production Sites in the Seto Inland Sea」
ゲスト(アドバイザリー委員)
篠原雅武(京都大学大学院総合生存学館[思修館]特定准教授)
塚本由晴(アトリエ・ワン/東京工業大学大学院 教授)
ダニエル・バーバー(シドニー工科大学 建築学部 学部長)
主催
カナダ建築センター、公益財団法人 窓研究所
※登壇順、敬称略







