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第14回 立ち止まるための窓 フィールドオフィス・アーキテクツ《跑馬古道公園》編
今回は、自身が設計した《跑馬古道公園》について紹介してみたい。 台湾宜蘭県礁溪郷に2021年に完成したこの公園はかつて、台湾軍の訓練所(宿舎…
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葉祥栄の「光の建築」
…ひとつの二元論からも自由だったのだ。 2024年3月、福岡アジア美術館で展覧会「葉祥栄再訪」が開催された。このとき行われた講演会において、…
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第13回 大屋根の下の民主主義(フィールドオフィス・アーキテクツのキャノピー編)
…る吹き放しの高床小屋「涼亭(リャンティン)」に通じるもので、アジアモンスーン気候の原風景ともいえる。なるほど市民にキャノピーが受け入れられる…
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インテリアから非建築へ
葉祥栄アーカイブを推進する建築家で建築史研究者の岩元真明氏が、葉祥栄の実質的なデビュー作である《コーヒーショップ・マシュマロ》から《光格子の…
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第12回 原住民のための、ちいさな教会(台東編)
現在、台湾では人口の7%ほどがキリスト教を信仰しているという。日本では1%ほどらしいから、その比率は結構高い。隣の国なのに宗教事情はかなり違…
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アジア「窓」紀行──上海からエルサレムまで
建築家・田熊隆樹氏が、2015年から2016年にかけて中国からイスラエルまで、アジア・中東11カ国の集落・民家をめぐって旅をした記録を書籍と…
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葉祥栄 光をめぐる旅――イントロダクション
1970年代にインテリアデザイナーとして設計活動を開始した建築家・葉祥栄。2019年、葉に関連する資料は九州大学に寄託され、現在、九州大学葉…
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第11回 どこかでつながり、どこまでも抜けていく 陳其寬《東海大学衛理会館》編
台湾中西部の都市・台中郊外に、台湾最初の私立大学である東海大学のキャンパスが広がっている。東海大学は中国と台湾の国共内戦後、ニューヨークに本…
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藤森照信|第十回 旧正伝院書院の〈舞良戸〉書院造を成立させる
…ガラスだった。超高価なガラスはヨーロッパに限られ、中国はじめアジアは紙。その紙も平安時代には、紫式部は『源氏物語』を書くための紙を、時の最高…
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第10回 波打つ学校 陳仁和《三信家商波浪大樓》(高雄)編
…構造体と窓の時間軸がずれていくことを考察したが(窓からのぞくアジアの旅「イラン・マースーレ編」)、保存され延命する近代建築においても同じこと…
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藤森照信|第六回 仁和寺金堂の〈蔀〉跳ね上がって消える窓
…るには縦挽きの鋸が必要になり、縦挽き鋸の発明はヨーロッパでもアジアでも中世を待たなければならなかった。日本には鎌倉時代に、中国から禅宗寺院建…
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第9回 風の吹く県庁舎 象設計集団《宜蘭県庁舎》編
この連載では台湾の無名の建築の窓を主に紹介してきたが、やはりいくつか紹介したい近現代建築もある。僕の家のすぐ近くにある、象設計集団(以下、象…
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001 Foligno / Brussels / York
窓研究所が、世界中の窓の瞬間を映像でお届けします。
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第8回 鳩小屋の浮かぶ町
…の併置は、鳩たちに毎日のリズムを与えていそうだ。そして僕は、アジア各地で見た伝統住居を思い出す。それら民家の多くにも、「暗く暖かい空間」と「…
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窓から建築を考える
東北大学五十嵐太郎研究室による窓学「窓の歴史学」(2007-2009)の研究成果をまとめた書籍。西洋建築、近代建築、日本建築と古今東西に存在…
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半円アーチ窓
上部が半円形のアーチ窓。古代ローマ建築に起源をもち、ロマネスク建築やルネサンス建築で広く用いられた。
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アーチ窓
窓枠や開口部の上部がアーチ状(曲線)の窓。上部が半円形の半円アーチ窓や、上部がとがった尖頭窓(ランセット窓)など、さまざまな形状がある。もと…
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ブルータリズム建築の窓 『日本のブルータリズム建築』発売によせて
…建築界でも語られることがなくなった。 しかし、東欧、中南米、アジア、アフリカなど、世界を広く見渡せば、1970年代以降もブルータリズムの建築…
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藤森照信|第五回旧閑谷学校講堂の〈火灯窓〉日本らしくない日本の窓
…もあるほど謎は多いが、インドの南部で悟りを開き、海伝いに東南アジア経由で中国にいたったと伝わり(南伝仏教)、エヴェレスト山脈の北の砂漠を経て…
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「札幌の家・自邸」の試み
…ち、厳しい気候の前に手放さざるを得なかったものは少なくない。アジアモンスーン気候と亜寒帯では無理もない。北海道の開拓は、未開の地をいかに短期…
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藤森照信|第四回 旧グラバー住宅の〈フランス窓〉インドから日本へとたどり着いた窓
…方が起源、との答えが導かれる。 そう、欧米列強が進出した暑いアジアで成立した住宅スタイルなのである。 場所は、インドのべンガル地方で、時期は…
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第7回 山を降りるスレートの村 屏東編
台湾原住民(原住民は中国語での呼称。日本では先住民と呼ぶことも多いらしい)は現在58万人ほどおり、台湾人口の2.5%を占める。政府が認定する…
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川井操(滋賀県立大学 准教授)「藁を用いた建築構法の応用可能性とその実践的手法に関する研究 ~インド・ビハール州ガヤ県ハティヤール村を対象にして~」
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するための場として、2024年4月20日(土)に「WRI session 研究報告会…
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中谷礼仁(早稲田大学 教授)「生環境構築史学(History of Habitat Building)のための日英併記による研究発表と内外先行研究者への現地取材記事に基づく研究蓄積を目的とした編集広報基盤の確立と運営」
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するため、2022年4月23日(土)に「WRI session 研究報告会2022」…
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照井敬生(キングスカレッジロンドンメディア文化研究科)「戦後ロンドンの文化政策建築:テムズ川沿いの公営文化施設における記憶と表象」
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するため、2023年4月15日(土)に「WRI session 研究報告会2023」…
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格子窓
防犯やプライバシー保護を主な目的として設けられる、戸の外側に格子を備えた窓。日本の伝統建築では竹などの素材が用いられ、親子格子、千本格子、高…
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第6回 誘うチーロウ
…に広がっている。ちなみにこうしたインフラとしての外食文化が、アジアトップレベルで女性の社会進出が進む台湾社会の背景にあると僕は思っている。 …
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新建築書店にてトークイベント「旅と窓」:『WindowScape』塚本由晴 ×『アジア「窓」紀行』 田熊隆樹を開催
…を見出していった北欧の建築家たちの作品を観察しています。 『アジア「窓」紀行: 上海からエルサレムまで』(田熊隆樹著、草思社、2022年)は…
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田熊隆樹著/アジア「窓」紀行 上海からエルサレムまで(草思社)発売
田熊隆樹さんによるWEB連載「窓からのぞくアジアの旅」に加筆・修正を加えた書籍「アジア『窓』紀行 上海からエルサレムまで 」が草思社より発売…
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第5回 辺境の小窓 馬祖・後編
辺境の地の民宿で、新年の朝を迎えた。友人たちが起きてくる前に、静かな民宿の実測をする。 外からは平屋のように見えたこの石積みの建物の中には屋…
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第4回 辺境の小窓 馬祖・前編
台湾の北西、中国大陸に限りなく近いところに、馬祖 マーツー列島がある。台湾の中心地があのサツマイモ型の本島とすれば、そこから一番遠い場所のひ…
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『Windowology: New Architectural Views from Japan』中谷礼仁 オンライントーク – 柱間装置:日本建築における空間の豊かさ
…を行う。2013年ユーラシアプレートの境界上の居住文明調査でアジア、地中海、アフリカ各地を巡歴。現在は生環境構築史を掲げ、人類の持続的生存に…
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第3回 涼亭の行方 蘭嶼・後編
…方。これは「暗く暖かい空間+明るく開放的な空間」という、以前アジアの多くの集落で見てきた住まい方を思い出させる。ある時には中庭とそれを囲うレ…
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第2回 埋もれる黒屋根 蘭嶼・前編
「台湾人」と一口にいっても、台湾には民族も宗教もバラバラな、色々な人が暮らしている。今回は台湾本島を飛び出し、離島について書いてみたい。 台…
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第1回 「鬼」の来る窓 屏東編
アジア・中東11カ国の集落・民家をめぐって旅した経験を経て、現在は台湾北東部・宜蘭(イーラン)に暮らしながら建築設計に従事する田熊隆樹さん。…
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最終回 窓からのぞいたアジア
…のである。 離れた場所が関係づけられていくこと。このことに、アジアの旅をもとに、窓についてのエッセイを書き進めてきたことの意義があったように…
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滝口悠生|第4回 アルメニアのアラム
…アの西端に近い南コーカサスにあるアルメニアから来たアラムと、アジアの東端の島国である日本から来た私がどういうふうに親しくなったのか、私はもう…
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第34回 イスラエル・エルサレム編 「聖地の生活」
飛行機の窓から、ミルク色の大地が見えた。中国から西へ西へと向かって来たこの旅。エジプトから少し空を飛び、最後の目的地であるイスラエルに向かっ…
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ホンマタカシがとらえたル・コルビュジエの視線 カナダ建築センター展示インタビュー
…8年の間、ホンマは写真の研究活動を行うかたわらでヨーロッパ、アジア地域を重点的に訪問し、数多のル・コルビュジエ建築を撮影。写真を撮り進めるな…
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第33回 エジプト・ナイル編 「ナイルを駆け抜ける」
カイロを数日歩き回った後、エジプト最南部のアスワンに飛んだ。ここから知人、そしてドライバーと共に、ナイル川沿いを10日間ほど、カイロに向けて…
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ジャパン・ハウス 巡回企画展 オンライントークセッション開催(2020/12/8)
…ィルソン / Fiona Wilson 『MONOCLE』 アジア支局長。東京在住。デザイン・ジャーナリズムを牽引するジャーナリストとして活…
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マリオ・ボッタ
…所を設立。本業のかたわら教育にも力を入れ、ヨーロッパをはじめアジアや米国やラテンアメリカ諸国の建築学校で講義・設計演習・講座を担当。独立当初…
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第32回 エジプト・カイロ編(2) 「アーチに向かう」
のちにカイロの原型となる都市「アル・カーヒラ」がつくられる10世紀以前、その少し南の方に「フスタート」という都市があった。今ではオールド・カ…
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第31回 エジプト・カイロ編「複合する街」
ヨルダンから飛行機に乗って、エジプトのカイロに来た。はじめてのアフリカ大陸だ。たいていの首都はそうなのだろうが、特にカイロは人が多い。宿から…
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鼎談 イワン・バーン × ホンマタカシ × 塚本由晴 写真の中の窓
…いるさまは、やはりとても感動的です。 五十嵐 ヨーロッパからアジア、アフリカ、南米、世界中を一気に駆け巡ったような気分です。イワンさんが捉え…
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第30回 ヨルダン・ペトラ編「大地を直感する」
旅行中、いろいろな国でいくつも遺跡を見てきた。それらは我々の現代の生活からかけ離れたもののようではあるが、遺跡をつくった人もおそらく自分と大…
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第29回 イラン・エスファハン編「宗教と街」
イランは初めて訪れたイスラム国家だったから、少なからぬカルチャーショックを受けた。通りを歩く人の多くが男性で、バスは男女で席が分かれている。…
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第13回 タシュクルガン「天窓の記憶」(後編)
翌朝、予定通りダンディの家に行くと、彼と同い年くらいのもう一人の男が合流した。タバコを一本吸い終え、3人で家を出る。 到着したのはダンディの…