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無窓性、あるいは消える小さな窓—サミュエル・ベケットの世界観
…自由が一瞬おとずれる。たえず自分の上に積み重なるしかない白い石の山を楽しみながら。これが続けば、山は天に届くだろう。月。金星。」 ダンテの天…
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堀江敏幸|気泡に封じ込められた微笑──夏目漱石『硝子戸の中』から
夏目漱石の晩年の作、『硝子戸の中』。「私」は部屋の中から、うつろう日々を見つめつつ、過去の記憶にも思いをめぐらせます。そんな趣深い小品を読み…
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ジョン・A・カミナダ
…ものと、視線に反発するものがあるということです*4 。 ──石造の基部にある開口部についてもお聞かせください。本来はもっと小さく、光と風を取…
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第33回 エジプト・ナイル編 「ナイルを駆け抜ける」
…ちゃとしていて、誰かの倉庫に迷い込んだようだった。 そこには石やら宝石やらによって拵えられた、動物と人間の混じり合う奇想天外な像の数々が並ん…
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マリオ・ボッタ
…ロックを使っているので、必然的にそうなるのです。見た目にも、石積みならまだしもコンクリートですから、アーチにしたほうが映えます。円形は開口部…
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千街晶之|覗く者と覗かれる者 ミステリにおける窓の役割
…で第2回創元推理評論賞受賞。2004年『水面の星座 水底の宝石』で第4回本格ミステリ大賞、第57回日本推理作家協会賞をW受賞。他の著書に『原…
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Ch.3 ビューファインダー/透明性と窃視
…ー、 (vi) 疑いというテーマが与えられている。 平坦な墓石のような構造物に小さな窓が開いており、そのなかをのぞき込むと、ファイバーグラス…
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第32回 エジプト・カイロ編(2) 「アーチに向かう」
…の平面をもつ巨大なモスクである。中に入ると、約150本の白い石柱が等間隔で連続する森のような空間が、中庭を囲んでいる。これはムハンマドが自ら…
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穂村弘 短歌に詠われた窓たち(後編)
歌人・穂村弘さんが振り返り、考察してゆく、短歌にさまざまに詠われてきた「窓」。古代から現代へとたどってきた前編に引き続き、この後編ではさらに…
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第31回 エジプト・カイロ編「複合する街」
…なんかを覗きながら街を歩いていると、通りの角に何やら古そうな石積みの建物を見つけた。 建物は一階に牢獄のような大きな格子状の開口部をもち、二…
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「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」出展作家対談 下道基行 × 能作文徳
…人間のあり方を問い直す。 津波によって海底から陸へ運ばれた巨石「津波石」の映像を発表した下道基行氏、エコロジーを起点に建築を思考する能作文徳…
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Gigon / Guyer(ギゴン/グイヤー)
…”な壁の質感を出しています。ここでの窓は外壁にはめ込まれた宝石のような存在と言えるかもしれません。 グイヤー 見付けの太いアルミサッシュには…
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穂村弘 短歌に詠われた窓たち(前編)
…さとの山見え来れば 襟を正すも 石川啄木 「啄木の歌に見られるように、近代にあらわれる新しい素材に、汽車の窓…
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窓の建築
…必要があることがわかりました。 その結果、カラーラ産の白大理石を用い、窓をかなり深く埋め込んだリズミカルなファサードができあがりました [p…
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鼎談 イワン・バーン × ホンマタカシ × 塚本由晴 写真の中の窓
…、《荘銀タクト鶴岡》(設計はSANAA+新穂建築設計事務所+石川設計事務所)の撮影に行きました。そのとき、設計事務所の人に設計時のパースの高…
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第30回 ヨルダン・ペトラ編「大地を直感する」
…かしヨルダン南西部の古代遺跡・ペトラでは、なによりもその「岩石」としての遺跡の存在に最も驚かされることになった。 「シーク」という1kmを超…
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第29回 イラン・エスファハン編「宗教と街」
…く残っている。それはいつしか本来の機能を超えて、レンガ、木、石などを使って自由自在に装飾として発展していったようだ。 エスファハンは特にタイ…
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Ch.2 フレーム―視覚的な装置、あるいはトロンプ・ルイユ(だまし絵)としての窓
…真っ黒で不明瞭な背景の前にひしめきあう緊密な構図全体が、大理石の窓枠に納まっている。そして、こちら側に突き出ている聖母マリアの肘や彫刻のよう…
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第28回 イラン・マースーレ編「ずれる窓」
…はエジプトの住宅で普及していたものらしいが、インドの宮殿でも石板を細かく彫ることで同様の機能をもたせた窓が残されており、イスラム世界に広く行…
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江口宏志 × 中山英之 mitosaya 薬草園蒸留所 発見から始まるものづくり
…蒸留所には不釣り合いに思えました。 そんなとき、鉄門から続く石垣の片隅に、かわいらしい階段を見つけたんです。もともとは巨大な受水槽に通じる点…
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2019年度助成事業
… 文化活動助成(1件) 代表者氏名(所属) 石田建太朗(一般社団法人 日瑞建築文化協会) タイトル (仮称)スイス建築の…
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第26回 イラン タフテ・ソレイマーン編「囲うことから」
…が、火を「囲う」(安置する)閉鎖的な空間のために、木材でなく石や土で覆う空間が求められたとすれば、アーチやドームという建築技術の発達とも、深…
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上げ下げ窓
2枚以上の戸を平行した2本以上の溝またはレールの上を鉛直移動させることによって開閉する窓を「上げ下げ窓」と呼び、上下2枚とも動く。主にイギリ…
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第4回 ボルミダ渓谷・段々畑の赤ワイン
…谷の段々畑にはモルタルやセメントは用いられず、代わりにランガ石(Langa Stone)と呼ばれる地域に広く採石される石のみを積み上げてつく…
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第25回 イラン・タブリーズ編「都市はバザール」
…ザールのなかを歩きまわることにした。 バザールには衣服から宝石、食物や雑貨などあらゆるものが売られていて、商品によってエリア分けされている。…
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Ch.1 写実への闘い
…たのだった。 しかし、それだけが理由ではなかった。ニエプスは石版刷り、ダゲールは絵画、タルボットはドローイングや理論研究と、写真とは別の領域…
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ゴードン・マッタ=クラークと開口
…の窓がなぜ割れているのかというと、住む場所を失う元の住民が、石を投げたりして新しい建物の窓を割ってしまったからなんですね。 小林 この作品の…
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学校としてのバウハウス、その日本への展開
…ック聖堂の木版画が添えられています。 ゴシック聖堂の建設には石工や彫刻家、壁画家、測量士などの様々な専門家が集い、彼らが実際に集まっていたの…
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Adobe ウィンドウズ
…土地の一部として受け継がれてきた。この素材は、「西南部の大理石」という、大げさな名前で呼ばれることもあるらしい。 さて、この物件でまず気にな…
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アメリカ編 (下)
さまざまな様式の展開 アメリカ各地で、豊かになって来た人たちが、ジョージアン、フェデラル、グリーク・リバイバル、ゴシック・リバイバル、ヴィク…
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アメリカ編 (中)
フランス、ドイツの伝統 毛皮取引でケベックに入っていたフランス系の人たちは、ミシシッピー川沿に南下して、ニューオリンズまでのルイジアナに入植…
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塚本由晴 窓のふるまい学/後編
…イスラム都市では色んな場所で見られるもので、インドではこれが石でできていることもあります。 われわれは今回そのマシュラビーヤをちょっと大きめ…
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塚本由晴 窓のふるまい学/前編
「何かをデザインするときの一番の資源は、人々の『ふるまい』(Behavior)である」───建築家・塚本由晴氏は“窓”を学問として研究する「…
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窓の短編映画 日吉大社“The Birth Canal”
…場所に位置する聖所である。そこには神の依代(ii)とされる巨石「金大巌 (こがねのおおいわ) 」がある。そしてその両脇に、この巨石によりそう…
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第2回 トレンティーノの貴腐ワイン
…ッティさんは話す。 水はけをよくするため、ペドロッティさんは石灰質砂岩である土壌の部分に石積みの段々畑をつくっているという。また、風通しをよ…
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第22回 インド・キッバル「かくれた穴」(後編)
高地の朝は寒かった。 しかし、宿の3階にあるテラスに出てみると驚くほどあたたかい。たしかに気温は低いのに、太陽の下は暑いぐらいである。むしろ…
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第3回 桂離宮 賞花亭
利休による茶の湯の成立以前から、貴重品であった茶に親しみ、自由に楽しんでいたのは貴族である。その茶室は、「貴族の好み」と呼ばれ、草庵風(田舎…
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アメリカ編 (上)
…トーンエンダーと小さな窓 入植後しばらくすると、部屋の一端に石やレンガで煙突付きの暖炉を設けた、ストーンエンダーと呼ばれる住居タイプが多くな…
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安藤桃子 窓を描く監督
…roject- 監督: 『カナリア』松永大司/『ファンキー』石井裕也 『アエイオウ』安藤桃子/『Kuu』平林勇/『Our Birthday』…
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第5回 国際門窓城へ
…のすみに用意された《国際門窓博物館》である。この博物館は木や石、瑠璃でつくられた古い門窓にはじまり、近現代のガラス窓などを展示している。この…
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第2回 如庵
…。正午の茶事であれば、席入りする頃には、入口である躙口、靴脱石が正面から明るく照らされる。そして茶事が終わるころには、日も傾き、丸窓からの光…
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第21回 インド・キッバル「かくれた穴」(前編)
…〜3階建てで、壁は版築構造でできている(冬季の雪のため下部は石積み)。版築は土をひたすら突き固めて一段ずつ壁を盛り上げていく方法で、古代から…
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窓の短編映画 “THE CORALLUM”
…その巨巌(おおいわ)は、更新世に珊瑚礁によって形成された琉球石灰岩(=珊瑚石)である。その岩石は沖縄という島全体を形成し、ひいては伝統的住居…
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窓学展巡回展@大阪市立大学
窓学10周年を記念したエキシビション「窓学展 −窓から見える世界− 」の巡回展が、4会場目となる大阪市立大学で開催された。会期は2018年5…
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第1回 ヴェッサーリコ村のニンニクの窓
…る中央アジアのように乾燥した気候と、根が腐らない水はけの良い石灰質の土壌で行われる。中でも、ロベルトさんの畑は南向きに配置されており、石積み…
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第20回 インド・キナウル地方「張り出しの村」(後編)
…幅1.6mほどの余裕ある廊下空間である。一方にはキナウル式に石と木を積んだ重厚な壁、そしてまた一方には軽快な木製建具が並んでいる。生活用品が…
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In New York 窓とまなざし
…ーク郊外の山中にあるポンド・エディーのアトリエに拠点を移し、石からレンガを切り出し巨大な窓の彫刻を制作するなど、精力的な活動をおこなっている…
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窓学展巡回展@名古屋工業大学
…ディスカッションが行われ、モダニズムにおける水平窓に始まり,石造建築の穿つ窓から現代における窓辺のアクティビティまで話は膨らみ、来場者も興味…