特定研究助成「サステナビリティと窓」 | ニュース

特定研究助成
「サステナビリティと窓」

01 Aug 2022

公益財団法人窓研究所は、本年度よりテーマを設けた研究助成事業を実施いたします。社会的な課題と「窓」をかけあわせることにより、関連する研究課題への支援と、建築文化への貢献を目指しています。

第一回となる2022年度は、持続可能な社会の実現に向けた、窓の役割やあり方を探求することを目的とした「サスティナビリティと窓」をテーマに研究事業を募集いたします。

人類の活動を起源とする気候変動は、世界各地でさまざまな影響を及ぼし、IPCCの2021年のリポートでは、世界平均気温は「少なくとも今世紀半ばまでは上昇を続ける」とされています。それらは人々の生活環境の安全・安心に影響を与えると同時に、長期的なスパンで考えると人類の生存を脅かす可能性を否定できない状況になっており、持続可能な社会を実現していくためにすぐにでも意識や行動を変えていく段階に差し掛かっています。

本年度のテーマである「サスティナビリティ」とは1987年に国連ブルントランド委員会において、「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在のニーズを満たすこと」と定義されています。地球環境の保護といった環境への問題意識だけではなく、経済的な持続性、そして不平等のない社会がより一層必要とされています。

上記をふまえ、窓研究所では、建築空間や日常生活に深くかかわる「窓」を軸に、サスティナブル社会の実現に向けたその役割やあり方を探求することを目的として、以下の１〜３の項目に関連する研究テーマを募集いたします。

1. 人間活動によってかかる負荷を軽減し、地球環境を保護する研究

2. 人々の経済活動を持続可能とする仕組みの研究

3. 窓を通じた格差のない認め合う社会の実現につながる研究

テーマ例

– 再生可能エネルギーや自然環境を活かしたパッシブ、アクティブな環境制御など窓の効果的な活用に向けた研究

– リサイクル素材や地産材などライフサイクル全体での環境負荷低減を図る窓の新たな材料や製法の研究

– 創エネ、省エネ、畜エネなど窓を含めた建築におけるカーボンニュートラルを実現するための研究

– 窓のリサイクル・アップサイクルなど資源の循環利用を目指したトータルな産業連携システムの研究

– 窓の流通や原材料調達における公平かつ適正な取引のための研究

– 窓を含めた建築プロセスにおける材料や作業のロスを低減するコストパフォーマンスを最大化する仕組みの研究

– 伝統知や効果的な窓の計画に関する知識を広げ、循環型生活へのシフトを促す教育プログラムの研究