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[文化活動助成]内藤誠人『Learning from ADAPTIVE REUSE in the Netherlands —文化財建造物を活用した都市デザインから学ぶオランダの建築文化—』が北海道大学ワイン教育研究センター棟にて開催

公益財団法人 窓研究所

19 Sep 2024

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2024年10月1日(火)より公益財団法人窓研究所2023年度文化活動助成で採択されました内藤誠人『Learning from ADAPTIVE REUSE in the Netherlands—文化財建造物を活用した都市デザインから学ぶオランダの建築文化—』が開催されます。詳細はフライヤーをご確認ください。

>フライヤー (PDF)

 

私たちは脱炭素社会、循環型社会の実現に向けて、より一層既存の建築物を残し、文化的価値を継承しながら、どのように現代の社会や都市に適応する形で活用するかを考えていかなければなりません。アダプティブ・リユース(適応型再利用)は、1970年代頃から西欧を中心に使われ始めた新しい言葉で、建物をどのように社会の変化に適応させるかという合目的的な意味合いが含まれ、環境問題やグローバル化による場所の没個性化への危機感を背景とした新しい議論が展開されています。

その中でも、国民が協力して国土を開拓し時代変化に適応してきた歴史を有するオランダでは、アダプティブ・リユースにおいても、文化財建造物を都市デザインと結びつける独特の空間観や、プロセスに関与する行政・開発者・市民の柔軟な協働などに、先進的かつ独自な特徴がみられます。

このプログラムでは、オランダのアムステルダムを拠点に活躍する建築設計事務所HOH Architectenの共同代表であるJarrik Ouburg(ヤリク・オウブルク)氏を迎え、オランダにおけるアダプティブ・リユースに関する方法論を学び、オランダと日本における建築の文化的対話を確立することを目的としています。

このプログラムは、【展示】、【ワークショップ】、【シンポジウム】を3つの歴史的建造物をテーマに行います。

 

【展示】は、2つのパートから構成されます。〈TABULA SCRIPTA SAPPORO〉は、HOH Architectenによる彼らのリサーチに関連した作品と設計方法論の展示です。〈Reuse Redevelopment and Design—How the Dutch Deal with Heritage—〉は、オランダ国内のアダプティブ・リユースの事例を紹介する、オランダ文化遺産局(RCE)の主導により、 2017年にオランダのHet Nieuwe Instituute(The New Institute)において展示された内容の一部をお借りした巡回展示です。これらの展示会場となる北海道大学ワイン教育研究センター棟は、旧札幌農学校昆虫学及養蚕学教室(中條精一郎設計、1901年竣工)を、2024年に北海道大学大学院工学研究院建築デザイン学研究室が中心となって改修した木造建築物で国の登録有形文化財です。

  • 〈TABULA SCRIPTA SAPPORO〉展示イメージ by HOH Architecten

【ワークショップ】は、北海道大学クラーク会館をケーススタディとして、ヤリク・オウブルク氏が行っているリサーチ手法であるメンタルマップを作成します。その場所に関わる様々な人々へのインタビューを通して作成されるメンタルマップは、建築物や都市の個人的で主観的な有形無形の価値を可視化し、さらに保存活用の議論を市民に開かれたものとします。クラーク会館(太田實設計、1959年竣工)は、北海道大学創基80周年の記念に学生会館として建てられたRC造のモダニズム建築物ですが、現在は施設の老朽化とともに、大学や周辺地域の社会的・環境的変化に伴って利用率の低下や周辺との空間的な齟齬が課題となっています。報告会では、メンタルマップの成果を基にクラーク会館を活用した北海道大学のキャンパスデザインについて議論します。

  • 2023年度北海道大学大学院「計画・設計特別演習Ⅰ—クラーク会館の再編計画」学生作品

【シンポジウム】は、大学キャンパスを離れ、小樽にある北海製罐第3倉庫をケーススタディとして行います。北海製罐第3倉庫は、市民による町並み保存運動の先駆けとなった論争として有名な運河に面する1924年竣工のRC造建築物で、2012年には小樽市指定歴史的建造物に指定されました。老朽化により2020年に解体の危機に瀕しましたが、保存に対する市民の要望により、2021年に小樽市に無償譲渡され、現在は市民団体が中心となって市民生活に根差した活用が議論されています。シンポジウムでは、オランダのアダプティブ・リユースの事例を参照しながら、北海製罐第3倉庫を活用した小樽の都市デザインについて議論します。

  • 北海製罐第3倉庫

 

開催概要『Learning from ADAPTIVE REUSE in the Netherlands —文化財建造物を活用した都市デザインから学ぶオランダの建築文化—』


展示

〈TABULA SCRIPTA SAPPORO〉
〈Reuse Redevelopment and Design —How the Dutch Deal with Heritage—〉
会期:2024年10月1日(火)- 2024年10月6日(日)
会場:北海道大学ワイン教育研究センター棟(北海道札幌市北区北9条西8丁目)
開館時間:10:30 – 18:00(金曜日は19:00まで)
ギャラリートーク:2024年9月30日(月)18:00から
オープニングレセプション:2024年9月30日(月)19:00から
入場料:無料

ワークショップ
『北海道大学クラーク会館とまちの繋ぎ方』
〈メンタルマップ・ワークショップ〉
日時:2024年10月1日(火)10:00 – 12:00
会場:北海道大学ワイン教育研究センター棟
〈ワークショップ成果報告会〉
日時:2024年10月3日(木)18:00 – 20:00
会場:北海道大学ワイン教育研究センター棟
入場料:無料

シンポジウム
〈北海製罐第3倉庫とまちの繋ぎ方〉
日時:2024年10月4日(金)18:00 – 20:00
会場:北海製罐第3倉庫(北海道小樽市港町4-6)
入場料:無料

問合せ:北海道大学大学院工学研究院建築デザイン学研究室

 

Top image: Mental Map “De School” Collage by HOH Architecten

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