川島範久(明治大学 専任講師)
「中山間地域や離島における集落のオフグリッド化に向けた『伝統知』のデジタル技術による定量評価とその適用可能性の検討」
03 Jul 2023
- Keywords
- Architecture
- WRI session
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するため、2022年4月23日(土)に「WRI session 研究報告会2022」をオンラインで開催し、第一部では、研究助成事業において2021年度までに完了した、公募で集まった多様な視点のユニークな研究5件を配信しました。本記事は登壇者のひとりである川島範久氏(明治大学 専任講師)の講演内容を再構成したものです。
地理的な要因等により完全な近代化から免れた中山間地域や離島における集落には、自然との連関の中で生きる『伝統知』が残されていることが多い。本研究ではそのような『伝統知』のうち、主に防風対策や日射取得の工夫に着目し、複数の伝統集落を対象にセンサーを用いた環境実測や環境シミュレーションを用いた解析技術を活用して定量的に把握する。これらの工夫と効果の関係性を定量的に把握することは、今後、持続が難しくなるとみられる地域に対して、循環型のオフグリッドな地域に再構築するためのガイドとなるだろう。
川島範久/Norihisa Kawashima
建築家。明治大学理工学部建築学科准教授。川島範久建築設計事務所代表取締役。1982年、神奈川県生まれ。2005年、東京大学卒業。2007年、東京大学大学院修士課程修了後、日建設計勤務。2012年、UCバークレー客員研究員。2014年より、東京工業大学大学院助教。2016年、東京大学大学院博士課程修了、博士(工学)取得。2017年、川島範久建築設計事務所設立。2020年より明治大学専任講師、2023年より同大学准教授。
主な受賞ー日本建築学会賞(作品)(NBF大崎ビル〈旧・ソニーシティ大崎〉)、サステナブル住宅賞 国土交通大臣賞(Diagonal Boxes)、JIA環境大賞(一宮のノコギリ屋根)、SDGs建築賞 住宅・建築SDGs推進センター理事長賞(GOOD CYCLE BUILDING 001|淺沼組名古屋支店改修PJ)、日本建築学会著作賞(著書『環境シミュレーション建築デザイン実践ガイドブック―自然とつながる建築をめざして』)。