12 Jan 2024
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京都にある桂カトリック教会は、ジョージ・ナカシマが日本で唯一設計した建築として知られており、1965年に完成された。聖堂は菱形HPシェルの薄い屋根を2枚の打ち放しRC壁が支えるシンプルな構造で、内部は手仕事によって生み出された木の家具で構成されている。
桂カトリック教会の聖堂にはコンクリートの丸窓と木製の引違い窓が重なり合った特徴的な窓がある。打ち放しコンクリートの壁面にあけられた丸窓はガラスがはめ殺しになっており、重なるようにして室内側には木製の障子戸、室外側には木製の引違いガラス戸と網戸が連続している。
日本の伝統的な建築様式に見られる「繊細な木」や「丸窓障子」とモダニズム建築を象徴する「コンクリートに穿たれた丸い窓」とが相互に重なり融合している姿には、様々な文化を経由し生きてきたジョージ・ナカシマの痕跡が見てとれる。
彼はカトリック教徒でありながら、インド思想を説くオーロビンド・ゴーシュの弟子でもあり、日本の神道の精神も理解していた。また、モダニズム建築に幻滅しながらも興味は持ち続け、木工家具制作においては手仕事を大切にしながらも機械を決して否定しなかった。そういった彼の多義的な態度がこの窓に力強く表現されている。
窓の音と動きの図鑑
「窓」の開閉する「音」と「動き」を観察・抽出し、私たちが耳や目で「窓」をどのように認知しているのかを解き明かす取り組み。「窓の音と動きの図鑑」は「Window Products Inside」の最初となるリサーチプロジェクトで、プロダクトデザイナー小宮山洋と窓研究所の協働で行われており、映像表現を岡崎智弘が作りあげている。
Window Products Inside
プロダクトデザイナー 小宮山洋によるリサーチプロジェクト。「窓」そのものに内包されている意味を抽出し再定義することで、多様な生活文化や新しい習慣を作り出す「窓」の鍵となるものを探す。
windowproductsinside.com