October 27, 2020

ジャパン・ハウス ロサンゼルス『Windowology: New Architectural Views from Japan
窓学 窓は文明であり、文化である』オンライン展示開催

パンデミックによる閉鎖後初となるジャパン・ハウス ロサンゼルスでの展覧会
オンラインによるバーチャルエキシビジョンをスタート

開催概要
英文開催名   Windowology: New Architectural Views from Japan
和文開催名   Windowology: New Architectural Views from Japan  窓学 窓は文明であり、文化である
開催期間    ジャパン・ハウス ロサンゼルス ウェブサイトにて3Dバーチャルエキシビジョンを含むオンライン展示を開催中
URL  https://www.japanhousela.com/exhibitions/windowology/

一般財団法人 窓研究所が企画し、世界3都市を巡回する展覧会『Windowology: New Architectural Views from Japan   窓学 窓は文明であり、文化である』は、2020年10月24日(土)PSTより、ハリウッドの中心に拠点を構え、日本文化の発信を行うジャパン・ハウス ロサンゼルスにて、オンラインによるバーチャルツアーを開始しました。バーチャルエキシビジョンでは、本展の展示ディレクター 五十嵐太郎氏とジャパン・ハウス ロサンゼルス館長 海部優子氏によるメッセージ、五十嵐太郎氏によるエクスクルーシブな展示解説などもお楽しみいただけます。

一般財団法人 窓研究所による「窓学」(Windowology)は、建築文化の発展を目的に、建築史家・建築批評家である五十嵐太郎氏監修のもと企画する学際的な研究プロジェクトで、ユニークな視点で窓の新たな可能性について探求しています。窓を建築の一部としてだけではなく、人間の生活やふるまいに密接に関係しているものと捉え、様々な分野から“窓”を読み解くアプローチをしてきました。本展は、この日本発祥の「窓学」を紹介する絶好の機会になります。

「窓は建築において最も重要な要素の一つです。必要に応じて開閉し、外の世界と内の世界をつなぐ機能を持っています。窓は透明なガラスでできているので、外の世界と中の世界を見ることができますが、ガラス自体が物理的な盾のような役割を果たし、風雨や害から私たちを守ってくれます。」と、五十嵐太郎氏は語ります。

本展は、五十嵐太郎氏のディレクションのもと、建築模型、ドローイング、写真、映像、漫画、工芸品、環境統計、また、アーティスト 津田道子氏の新作などを展示します。また、本展は、日本の窓にも焦点を当てています。日本の伝統的な建築は、柱と梁の間にある建具を取り除いたり、窓や網戸を開閉することで、室内外の空気を変化させることができます。一方、日本の茶室は、閉ざされた箱の中に様々な開口部を設けたものであり、日本の建築史の中でも特別な位置を占めています。本展では、現存する茶室としては最大の窓数をもつ茶室「擁翠亭」の原寸大模型も再現展示されます。

本展は、「窓学」の10周年を記念し、2017年、東京都港区のスパイラルで開催された「窓学展ー窓から見える世界ー」をベースに、過去から現代まで日本の建築に存在してきた窓の魅力を伝えることを目的に、海外での展覧会に向け再構成されたものです。

  • © JAPAN HOUSE Los Angeles

本展展示ディレクター、ジャパン・ ハウス ロサンゼルス館長からのメッセージ

コロナ禍における窓の可能性
2020年、世界中を覆いつくしたパンデミックは、わたしたちの日常を根本から変えました。人が集まる空間は良いとされた建築の前提も、ひっくり返り、あらゆる人間があらゆる人間に対する潜在的な脅威となるような状況に陥りました。この展覧会も、会期や会場のデザインの見直しが余儀なくされました。当然、窓という建築の重要な部位にも、新たな考察が要請されます。人々が外出を減らし、家にひきこもる社会において、やはり窓こそは外部と内部をつなぐ装置だからです。また窓は、外に対して開くことと、閉じることという相反する2つの機能をもち、この矛盾は経済活動を再開するか、安全を優先してロックダウンを続けるか、という社会が抱える根本的な問題とも重なります。そして窓のガラスは、透明ゆえに、向こう側が見えるけれども、物理的なシールドとしても機能します。
巨大津波が多くの街を破壊した2011年の東日本大震災の後、窓学では、窓をめぐる討議を行ったことがあります。またアートの分野では、「とある窓」展において、室内から窓の外にむけて被災地を撮影した写真の数々が、風景の変化を語る居住者の言葉とともに展示されました。それらの窓は、まさに3.11の前後、そして復興の過程を目撃したものです。
さて、コロナ禍によって活動を制限されたわたしたちは、家に滞在する時間が長くなりました。家にいながら遠くの世界につながるパソコンという新しい時代の「窓」に向きあうことも増えましたが、一方で従来の窓がまわりの風景や近所の人たちをリアルに結ぶ役割を果たしていたことを改めて強く感じたはずです。
実際、窓辺のバルコニーから隣人に向けてオペラを歌ったり、窓越しに医療従事者への感謝のメッセージを発信したり、ソーシャル・ディスタンスを維持すべく窓を介してモノを受け渡しするなど、危機的な状況において窓ならではの力を発揮しました。これまでにも世界の地域や文化圏によって、窓は人々に異なるふるまいを誘発しましたが、コロナ禍でもそうした多様性は認められました。本展が、来場されたみなさまに、改めて窓がもつ可能性について想像していただくきっかけになれば、幸いです。

展示ディレクター 五十嵐太郎

今年2回目となる大規模な展覧会を開催できることを非常に喜ばしく思っています。私たちは、世界の他の国々同様、窓が私たちと隣人をつなぐ役割を果たしていることを目の当たりにしてきました。窓は、外の世界だけでなく、中の世界も見ることができるのです。本展で、日本文化における窓のユニークな役割を見ることができます。この展覧会が、人々の生活に必要不可欠な窓について、改めて深く考えるきっかけとなることを願っています。

ジャパン・ ハウス ロサンゼルス館長 海部優子


本展の構成について

10のテーマで構成されています。
「アートの窓」(Windows on Art)
「手仕事の窓」(Windows on Craft)
「環境の窓」(Windows on the Environment)
「ものがたりの窓」(Windows on Stories)
「掬月亭の窓」(Windows on Film)
「漫画の窓」(Windows on Manga)
「茶室の窓」(Windows on the Teahouse)
「現代住宅の窓」(Windows on How We Live Now)
「窓の動き」(Windows on Motion)
「窓の格言」(Windows on Words)

本展の展開について
・関連イベントは、2020年11月、12月に開催を予定しています。詳細はジャパン・ハウス ロサンゼルスのウェブサイトやSNS、窓研究所のウェブサイトなどで随時発表いたします。
・展示会場の開館日は、政府や保健所による指導のもと後日発表します。
・本展は、ジャパン・ハウスが拠点を構える世界3都市を巡回する展示企画の第3期として選出されたものです。今後、サンパウロ、ロンドンへの巡回を予定しています。(ロンドン会場は、今年4月より開催を予定しておりましたが、延期となりました)

窓研究所について
一般財団法人 窓研究所は、「窓は文明であり、文化である」の思想のもと、建築文化の発展に寄与するべく、窓や建築に関する多角的な知見の収集・発信に取り組み、研究や文化事業等の助成・開催をおこなう財団法人です。窓研究所は、過去10年にわたり独自に研究活動を実施するに留まらず、東京国立近代美術館での「窓展」の開催など、日本国内外の大学や研究者との連携により、建築・文化・芸術などの分野における国際的な取り組みを展開しています。
公式ホームページ:https://madoken.jp SNS:Facebook Twitter Instagram

ジャパン・ハウス ロサンゼルス(JHLA)について
アートや工芸、デザイン、建築、科学技術、ポップカルチャー、食文化等、幅広いテーマから日本を紹介します。日本を一つの定義でくくってしまうのではなく、「日本とは何か」という真摯で柔らかい問いかけを持ち続けながら、常に進化を続ける日本の文化への理解を深めていきます。 JHLAは、ハリウッド&ハイランドセンター内の2フロア14,000 sq. ft.(約1,300平米)を使い、アメリカ及び世界からのお客様に向けて日本の様々な側面を紹介します。 2階スペースには、日本の想像力に焦点を当てる展示ギャラリーが設置されています。5階スペースには多目的に利用できるサロン、くつろげるライブラリーが設けられ、ハリウッドとロサンゼルスが一望できます。
公式ホームページ:https://www.japanhousela.com

ジャパン・ハウスについて
日本の多様な魅力や政策・取組を発信することにより、日本への理解と共感の裾野を広げることを目的とした新たな拠点として、外務省により世界の3都市(サンパウロ・ロサンゼルス・ロンドン)に設置されました。日本に関する様々な情報がまとめて入手できるワンストップ・サービスを提供するとともに、レストラン、ショップ等を設置し、民間の活力、地域の魅力なども積極的に活用したオールジャパンでの発信の実現をめざします。さらに、専門家の知見を活用しつつ、現地のニーズにきめ細かく対応して現地の人々の共感を呼ぶよう工夫を行います。

———参考資料———

展覧会の構成

アートの窓
窓研究所では、学術発表だけでなく、アーティストによる窓をテーマにした作品の展示プロジェクトも行なってきました。今回は、津田道子による作品『Shakkei Trilogue: Walk Straight』を展示します。
本展では、通路に面したショーウィンドーとその周囲、メインギャラリーに、カメラによる映像、鏡、枠を用いたインスタレーションが制作されます。通路を行き交う人々を含めた風景とジャパンハウス内の境界が撹乱され、思わぬところに鑑賞者の姿が出現することで、空間の見え方が変わる、迷宮的な視覚体験がもたらされます。

  • アートの窓
    Shakkei Trilogue: Walk Straight, 2020
    © JAPAN HOUSE Los Angeles

手仕事の窓
益子焼、葵染め、松江の和紙など、日本の職人が手仕事をおこなう工芸品の作業場や工房で、生産過程の一環として機能する窓を紹介します。窓を開けることで材料を乾燥させる風を取り入れ、蒸気を逃がし、また窓を閉めることで物を燻し、熱を閉じ込めます。この「働く窓」は、パートナーとして職人の感受性や技術を成長させているのです。

  • 手仕事の窓
    Yoshiharu Tsukamoto Laboratory, Tokyo Institute of Technology. Window Workology. 2014

環境の窓
環境の変化とともに窓の役割は絶えず進化しています。持続可能な建築が求められる現代において、外部環境の接点である窓の役割に対する重要性は高まっており、自然と感じ合い呼吸する建築が注目されています。本展では、開口部を通して、日本の住宅作品で、熱、光、風がどのように動いているかをご覧いただくことができます。

茶室の窓
別名「十三窓席」と言われ、現存する茶室としては最大の窓数をもつ京都の「擁翠亭」を、起こし絵図を基に実寸大で再現展示します。起こし絵図とは、日本伝統の和紙製組み立て式の建築模型で、茶匠や大工による打合せや設計に活用されていました。展示会場では、原寸大で再現された茶室内の小さな空間に13ある、多様な窓のすがたを楽しむことができます。

  • 茶室の窓
    ©2019 Takumi Ota Photography

掬月亭の窓
香川県高松市・栗林公園内にある「掬月亭」を取り上げ、昼から夜へと移り変わる時間の中で建具の移動により空間に劇的な変化がもたらされる様子を記録したショート・フィルムをご覧いただけます。

ものがたりの窓
フィクションの世界において、窓は、語り合いの場として、離別を示す小道具として、または異空への入り口として機能することがあります。物語を通して、一般の人々が窓について潜在的にどのようなイメージを抱いているかを垣間見ることができます。ここでは日本文学作品の様々な物語の中で、窓がいかに描かれているかを紹介します。

漫画の窓
1946年~1974年まで新聞に連載された当時の典型的な日本の一軒家に暮らす多世帯家族の漫画『サザエさん』から、窓を題材にした8つのエピソードを紹介します。窓越しに隣人と会話している登場人物の様子など、日本における窓辺の生活から窓を読み解きます。

  • 漫画の窓
    ©︎ HASEGAWA MACHIKO ART MUSEUM
  • 漫画の窓
    ©︎ HASEGAWA MACHIKO ART MUSEUM

現代住宅の窓
写真家ジェレミ・ステラが、著名建築家の設計による日本の前衛的な現代住宅を撮影した写真集、『東京の家』(2014年)と『日本、家の列島』(2017年)から抜粋した写真を紹介します。ステラの作品からは、日本における都市部の窓が、いかに周辺環境に合わせて人の視線を意識してつくられているか、また一方で、日本の地方にある住宅では、窓が自然との関係をつくる大きな役割を果たしていることがうかがえます。

  • 現代住宅の窓
    House O by Hideyuki Nakayama © Jérémie Souteyrat

窓の動き
窓の開閉方式には多くのバリエーションがあります。日本では水平にスライドする引き違い窓が主流の一方、欧米では上げ下げ窓が主流です。他にもドイツで発明されたドレーキップ窓(ハンドルを回し、内開きや内倒しができる窓)、観音開きのフレンチ・ウィンドウなど、地域の固有性と結びついた窓に着目しました。本展示では、様々な窓の動き方を抽象化しつつ、音と映像によって表現します。

  • 窓の動き
    Still from the movie ‘Index of Window Sounds and Movements’ 2019. Researched by Yoh Komiyama. Directed by Tomohiro Okazaki

窓の格言
建築家がつむぎだす窓に関する言葉には、多くの叡智が含まれていることに着目し、古今東西の建築書から、様々なテキストを収集しました。そこには「日本の開口部とは?」、あるいはそもそも「窓とは何か?」、という本質的な問いが少なくありません。本展示では、日本の建築家による格言を中心に紹介します。

Windowology: New Architectural Views from Japan 関係者クレジット
主催:ジャパン・ハウス ロサンゼルス
企画:一般財団法人 窓研究所
特別協力:擁翠亭保存会、長谷川町子美術館、堀口捨己資料アーカイブズ
展示ディレクター:五十嵐太郎
展示アシスタント:柴田直美
会場デザイン:西澤徹夫、佐藤熊弥(西澤徹夫建築事務所)
展示グラフィック:岡本健、紺野達也(岡本健デザイン事務所)
プロジェクトマネジメント:小宮山洋
什器制作:東京スタデオ
広報:小池美紀、相沢美恵(HOW)

作品クレジット
アートの窓 インスタレーション:津田道子 ソフトウェア開発:イトウユウヤ
手仕事の窓 研究:東京工業大学 塚本由晴研究室
環境の窓 研究:小玉祐一郎+滋賀県立大学 金子尚志研究室
ものがたりの窓 研究:原広司+東北大学 五十嵐太郎研究室 イラスト:信濃八太郎
映画の窓 研究(映画):早稲田大学 中谷礼仁研究室+瀬尾憲司
茶室の窓 設計:西澤徹夫建築事務所+岡本健デザイン事務所 製作:東京スタデオ 写真:太田拓実 映像:コミューンラボ
漫画の窓 研究:東北大学 五十嵐太郎研究室
現代住宅の窓 写真:ジェレミ・ステラ
窓の動き 研究:小宮山洋 映像:岡崎智弘 録音・分析 : 小野寺唯、松尾謙二郎(invisible designs lab)

掲載・取材に関するお問い合わせ先
一般財団法人 窓研究所 PR事務局 HOW INC.
TEL. 03-5414-6405
FAX. 03-5414-6406
EMAIL. pressrelease@how-pr.co.jp