清家剛(東京大学 教授)
「日本と各国の仮設住宅のあり方および再利用に関する比較研究」
03 Jul 2023
- Keywords
- Architecture
- WRI session
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するため、2022年4月23日(土)に「WRI session 研究報告会2022」をオンラインで開催し、第一部では、研究助成事業において2021年度までに完了した、公募で集まった多様な視点のユニークな研究5件を配信しました。本記事は登壇者のひとりである清家剛氏(東京大学 教授)の講演内容を再構成したものです。
日本で応急仮設住宅が建設される際、2018 年の西日本豪雨でトレーラーハウスが供給されているように、海外の制度を取り入れる動きが見られる。日本の応急仮設住宅制度の今後の展開を考えるには、他国との比較が重要であると思われる。そこで本研究では、日本と世界各国における仮設住宅に関して調査・比較し、種類や再利用などの違いの把握と日本の仮設住宅を改善していくための課題を把握することを目的とする。本稿では日本の仮設住宅における発災から再利用までの時系列の比較や各国の仮設住宅とその他の仮設建築物の再利用を実施した要因や補助の把握から、日本の仮設住宅における今後の課題について考察した。
清家剛/Tsuyoshi Seike
1964年徳島県生まれ、1897年東京大学工学部建築学科卒業、同助手を経て1999年
より東京大学大学院新領域創成科学研究科・助教授、(2004年より准教授に職名
変更)、2019年より現職。とくに外装材や窓に詳しく、窓関係では建築学会や国
土交通省の仕様書とJISの委員長や幹事をつとめている。
専門は建築構法と建築生産。建築をつくることをテーマにしていたが現所属にな
ってからは建築生産の環境負荷全般や、改修・解体技術やリサイクル技術につい
て、また環境評価システムについて研究している。CASBEE-戸建の開発責任者で、
健康チェックリスト、レジリエンス住宅チェックリストなども中心となって作成
した。1995年の阪神・淡路大震災以降、天井や外壁などの耐震性について研究し
てる。著書に『サステイナブルハウジング』(監修・共著、2003年、東洋経済新
報社)、『ファサードをつくる』(共同監修・共著、彰国社、2005年)、『住環境
再考 ―スマートから健康まで』(共著、2016年、萌文社)。