齋藤歩(京都大学総合博物館特定助教)
「近現代建築資料を対象とした実践的整理法の発展プロセスに関する研究」
03 Jul 2023
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するため、2023年4月15日(土)に「WRI session 研究報告会2023」をオンラインで開催し、建築学のみならず美術や社会学など多岐の分野にわたる8名の研究者による研究成果報告を配信しました。本記事は登壇者のひとりである齋藤歩氏(京都大学総合博物館特定助教)の講演内容を再構成したものです。
建築図面の整理法について、英米における発展プロセスの一端を明らかにした。王立英国建築家協会RIBAで図面コレクションを網羅した目録(全20巻)を完成させたジル・リバーに注目して、アーカイブズを閲覧分析することにより、リバーの司書としての見識や図面目録の標準化を検討した北米での経験がRIBA目録に与えた影響を考察。
齋藤歩/Ayumu Saito
1979年生まれ。京都大学総合博物館(研究資源アーカイブ系)特定助教。 国立公文書館認証アーキビスト。日本アーカイブズ学会登録アーキビスト。博士(アーカイブズ学)。メディア・デザイン研究所にて書籍やウェブサイトの編集に従事したのち、2016年より現職。専門は、建築レコード(Architectural Records)。論文:「科学技術記録にアーキビストが関与するためのノート──アーカイブズ学にみるJCASTの成果と役割」(『「研究者資料の学術資源化に向けた資料整理法の提案──実験物理学者・中谷宇吉郎資料を事例としたアーカイブズ学的実践」最終報告書』、2022)、「日本の近現代建築史研究では何を『資料』とみなしてきたか──建築資料論としての研究素材の通覧と類型化」(『日本建築学会計画系論文集』86(784)、2021)、「建築レコードに関するアプレイザルの判断基準を分析する──1970年代以降の北米の試みを対象に」(『アーカイブズ学研究』24、2016)ほか。受賞:2021年度第7回住総研博士論文賞、令和4年度第19回山田一宇賞、2020年日本建築学会奨励賞。