WINDOW RESEARCH INSTITUTE

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[会期延長]デンマーク・ヴィラム・ウィンドウ・コレクションにて「Windowology: New Architectural Views from Japan 窓学 窓は文明であり、文化である」展を開催

公益財団法人 窓研究所

18 SEP, 2022 - 15 AUG, 2023

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Exhibitions

イベントのアーカイブ情報は下記リンクをご覧ください。

ロサンゼルス、サンパウロ、ロンドンの世界3箇所のジャパン・ハウスを巡回後、「Windowology: New Architectural Views from Japan 窓学 窓は文明であり、文化である」展が、デンマーク・コペンハーゲンにあるヴィラム・ウィンドウ・コレクションにて開催されます。展覧会は2022年9月18日に開幕し、2023年8月15日まで入場無料で公開される予定です。※会期延長

 

本コラボレーションについて

2018年、窓学(Windowology)のリサーチプロジェクトに携わる日本の学生たちが、ヴィラム・ウィンドウ・コレクション(VILLUM Window Collection/VWCO)を訪れました。この訪問は、後に窓研究所とVWCOの相互訪問につながり、このインスピレーションに溢れたコラボレーションが、今回の展覧会の開催を実現するきっかけとなりました。
「この体験すべてが、目からウロコでした。窓を扱い、その重要性の大きさを伝えているのは、私たちだけではないことを知りました。地球の裏側でも、同じようなことが行われているのです」VWCOのミュージアムディレクターであるドローテ・ベック=ニールセンはそのように話し、こう続けました。
「窓学のプロジェクトは、窓の重要性、特に世界のさまざまな文化との関わりについて、私たちの知識を豊かにしてくれました。 私たちのコラボレーションは、『Windowology: New Architectural Views from Japan 窓学 窓は文明であり、文化である』展で最高潮に達します。この展覧会が、ゲストの方々にとっても発見の多いものになることを願っています。結局のところ、窓は建築物の単なる構成要素ではないのです」

開催概要
開催名 「Windowology: New Architectural Views from Japan 日本の新しい建築観」
開催場所 ヴィラム・ウィンドウ・コレクション(デンマーク・コペンハーゲン)
住所 Maskinvej 4, 2860 Søborg, Denmark
会期 2022年9⽉18日- 2023年8⽉15日
開館時間 (火) 10:00 – 16:00、(木)10:00 – 20:00、(日)11:00 – 17:00
⼊場料 無料
詳しくはこちらよりご確認ください

展覧会の構成
茶室の窓
別名「十三窓席」といわれ、現存する茶室としては最大の窓数を持つ京都の「擁翠亭(ようすいてい)」を、起こし絵図を基に実寸大で再現展示します。起こし絵図とは、日本伝統の和紙製組み立て式の建築模型で、茶匠や大工による打ち合せや設計に活用されていました。展示会場では、実際に茶室の中に入ることができ、13の窓により明るさや雰囲気が劇的に変化する室内の様子を体験することができます。

  • Takumi Ota Photography Co., Ltd. 2019  

手仕事の窓
益子焼、藍染め、松江の和紙など、日本の工芸品制作過程における窓の中核的な役割について探求します。窓を開けることで材料を乾燥させる風を取り入れ、蒸気を逃がし、また窓を閉めることで物を燻し、熱を閉じ込めます。この「働く窓」は、職人が手仕事を行う作業場や工房においてなくてはならない役割を果たしています。

  • Yoshiharu Tsukamoto Laboratory, Tokyo Institute of Technology. Window Workology. 2014

漫画の窓
日本で最も有名な4コマ漫画のひとつ「サザエさん」から、窓を題材にした8つのエピソードを紹介します。1946年〜1974年まで新聞に連載されたこの国民的漫画は、典型的な日本の一軒家に暮らす多世帯家族の物語で、窓越しに隣人と会話している登場人物の様子など、日本における窓辺の生活が描かれています。大衆の生活を映し出す漫画から日本の窓を読み解きます。

  • ©︎ HASEGAWA MACHIKO ART MUSEUM

現代住宅の窓
ロンドンを拠点に活動するフランス人写真家、ジェレミ・ステラ氏が日本在住中に撮影した写真を通して、日本の特徴的な住宅の窓を紹介します。ステラ氏の作品からは、日本における都市部の窓が、いかに周辺環境に合わせて人の視線を意識してつくられているか、また一方で、日本の地方にある住宅からは、窓が自然との関係をつくる重要な役割を果たしていることが覗えます。

  • House O by Hideyuki Nakayama © Jérémie Souteyrat

ものがたりの窓
フィクションの世界において、窓は語り合いの場として、離別を示す小道具として、または異空への入り口として機能することがあります。ここでは、日本文学作品のさまざまな物語の中で、窓がいかに描かれているかを紹介します。物語を通して、建築家ではない一般の人々が、窓について潜在的にどのようなイメージを抱いているかを垣間見ることができます。

 

掬月亭の窓
柱と梁によって成立する伝統的な日本の木造建築は、煉瓦とモルタルでつくられる建築と異なり、間仕切りを横にずらすことで開口部を自由につくることができ、柔軟で移動可能な空間構造を生み出すことができます。香川県の栗林公園にある茶屋「掬月亭(きくげつてい)」を24時間撮影した短編映画では、襖や障子などを動かすことで、内部空間の表情が劇的に様変わりする様子を紹介します。

 

環境の窓
環境の変化とともに窓の役割は絶えず進化しています。換気や空調など設備技術の発達により、高層ビルに開かない窓が登場するなど、窓の役割は大きく変化してきました。しかし、持続可能な建築が求められる昨今、外部環境の接点である窓の役割はますます重要となっています。ここでは、日本の住宅を例に、熱、光、風などの自然エネルギーがどのように動いているかを解説します。

 

アートの窓
本展では、アーティスト 津田道子氏による窓をテーマとした作品も紹介します。本作品は、カメラによる映像、鏡、窓枠のようなフレームなどの素材を用いたインスタレーション作品で、会場に合わせた特別な構成で展開されます。

  • Photo: Tadasu Yamamoto, Installation view at “Open Space 2016: Media Conscious” (NTT InterCommunication Center [ICC], Tokyo, 2016)

窓の格言
建築家がつむぎだす窓に関する言葉には、多くの叡智が含まれていることに着目し、古今東西の建築書から、さまざまなテキストを収集しました。そこには「日本の開口部とは?」あるいはそもそも「窓とは何か?」という本質的な問いが少なくありません。本展示では、日本の建築家による窓の格言を中心に紹介します。

 

窓の動き
窓の開閉方式には多くのバリエーションがあります。日本では水平にスライドする引き違い窓が主流である一方、欧米では上げ下げ窓が主流です。他にもドイツで発明されたドレーキップ窓(ハンドルを回し、内開きや内倒しができる窓)、観音開きのフレンチ・ウィンドウなど、地域の固有性と結びついた窓に着目しました。本展示では、さまざまな窓の動き方を抽象化しつつ、音と映像によって表現します。

  • Still from the movie ‘Index of Window Sounds and Movements’ 2019. Researched by Yoh Komiyama. Directed by Tomohiro Okazaki

ヴィラム・ウィンドウ・コレクション(VILLUM Window Collection)について
ヴィラム・ウィンドウ・コレクションは、窓の文化的歴史、技術的発展、そして特に人々の光、空気、眺望へのアクセスを可能にする窓の重要性について記録し、伝えています。
このミュージアムは、来場者をタイムトンネルでの旅に誘い、初期のシンプルな明かり取りから、今日のハイテクで気候にやさしい窓まで、歴史上にたどられる窓を通じて光を体験できます。窓のデザインと製造技術がリンクし、建築や都市空間、そして福祉や生活の質における窓の重要性への理解を生み出します。展示の中心になるのは、光の色相からインスピレーションを得てデザインされたカラフルなスライドパネルの壁です。来場者は、壁をスライドすることで時代やスタイルの異なる90種類以上の窓を探索できます。世界中の興味深い窓がコレクションされ、展示される窓は常に変化しています。
ヴィラム・ウィンドウ・コレクションは、ラース・カン=ラスムセンの主導で2015年にオープンしました。1941年にVKRグループを設立し、1942年に最初のベルックス天窓を開発した、同氏の父親で土木技師のヴィルム・カン=ラスムセンにちなんでミュージアムは命名されました。 VKR Holding A/Sが所有するこのミュージアムは、コペンハーゲン(セーボー)にあるVKRグループの最初の本社内にあります。
詳細はこちらよりご覧ください。

 

窓研究所について
公益財団法人 窓研究所は、「窓は文明であり、文化である」の思想のもと、建築文化の発展に寄与するべく、窓や建築に関する多角的な知見の収集・発信に取り組み、研究や文化事業などの助成・開催を行う公益 財団法人です。窓研究所は、過去10年にわたり独自に研究活動を実施するに留まらず、東京国立近代美術館での『窓展』の開催など、日本国内外の大学や研究者との連携により、建築、文化、芸術などの分野における国際的な取り組みを展開しています。

公式ウェブサイト: https://madoken.jp
Facebook: https://www.facebook.com/madokenjp/
Instagram: https://www.instagram.com/windowresearchinstitute/
Twitter: https://twitter.com/madokenjp
本展特設ウェブサイト: https://windowology-exhibitions.madoken.jp

 

 

本展は、ジャパン・ハウス*の巡回展として企画され、ロサンゼルス、サンパウロ、ロンドンの3拠点を巡回致しました。

*ジャパン・ハウスは、日本の多様な魅力や政策・取り組み・立場を発信することにより、日本への理解と共感の裾野を広げることを目的に、外務省により世界の3都市(サンパウロ・ロンドン・ロサンゼルス)に設置された対外発信拠点です。

Top image: Jens Lindhe

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