川本悠紀子(名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター准教授)
「古代ローマの別荘における窓とギリシア哲学との関連について」
20 Jun 2025
- Keywords
- Architecture
- WRI session
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するための場として、2025年4月20日(日)に「WRI session 研究報告会 2025」を開催し、その様子をオンラインにて配信いたしました。本記事は登壇者のひとりである川本悠紀子氏(名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター准教授)の講演内容を再構成したものです。
本研究は、古代ローマ時代の別荘建築がギリシアの哲学にどれほどの影響を受けていたのかを探ろうとするものである。なかでも窓や戸口などの開口部に着目し、このような開口部を通しての視野や光の入り方や特定の事物への光の当たり方が、古代ローマ時代の別荘建設時の計画でどの程度考えられてきたのかという点で、ギリシアの哲学的思想という観点を手掛かりにしつつ検討する。
川本悠紀子/Yukiko Kawamoto
名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター准教授。専門は西洋古典学、古代ローマ文化史、古代ローマ建築史。British School at Rome, Rome Awardee、LMU Münchenポスドク、名古屋大学 YLC 特任助教、名古屋大学人文学研究科西洋古典学専門准教授などを経て現職。King’s College London (Ph.D. in Classics)。本研究助成採択課題に関連する著作として、「キケロの書簡にみるアテナイの哲学学校と古代ローマの別荘」『古代地中海世界と文化的記憶』(山川出版社、2022年)、「ウィトルウィウスの『建築書』の古代ローマにおける受容」『古典主義再考I 西洋美術史における「古典」の創出』(中央公論美術出版、2021年)など。Humanitext Antiquaの天文学関連著作のテクストデータ整備や、名古屋大学宇宙地球環境研究所とも連携した「宇宙地球環境科学と歴史学・考古学を結ぶ超学際ネットワーク形成」などにも参画している。
