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建築映画館2023

公益財団法人 窓研究所

27 Jan 2023

Keywords
Film
Grantee Projects

公益財団法人 窓研究所2021年度文化活動助成で採択された「建築映画館2023」が開催されます。詳細情報につきましてはウェブサイトまたはチラシをご確認ください。

 

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建築映画館2023│Architecture Film Festival 2023

建築映画館は、建築をテーマに映画を上映する映画祭です。製作国、時代、ジャンルに縛られず、建築に関連する映画を選定し、上映を行います。
今年度は「構造」「建築と人物」「図面」「アーカイブ」「都市」の5つのテーマに分けて作品を紹介します。また、上映に併せて、映画・建築双方の分野からゲストを招きトークショーを開催します。
映画館という建築物に集うことで、映画のなかの建築をフレームの外へ拡張させ、実際の都市・建築の議論へとフィードバックすることを目指します。

 

開催概要

開催期間 2023年2月23日〜26日
会場 アンスティチュ・フランセ東京
住所 〒162-8415 東京都新宿区市谷船河原町15
主催 建築映画館実行委員会
助成 公益財団法人 窓研究所
協力 国立映画アーカイブ 、合同会社ガラージュ
公式ウェブサイト https://architectureincinema.com/

 

テーマ

1. 構造

構造映画とは、ショット構成や物質的な支持体であるメディア(フィルムやビデオテープ)など、映画を成立させるための構造それ自体を主題とした映画を指す言葉である。これらの構造への操作によって喚起させられる空間体験が、建築と密接に関わる作品を上映する。

  • 11 x 14
    1977年|81分
    監督:ジェームス・ベニング
    デジタル上映
    映像提供:Arsenal – Institut für Film und Videokunst e.V. 「構造映画」の余波の中で製作された、ジェームス・ベニングによる初の長編映画。アメリカ郊外を捉えた65の静的なショットで構成されている。物語を超えて構図・色・テクスチャ・画面の内外の関係を映し出し、映画を見る側の自発的な空間への注視をうながす。

2. 建築と人物

ある特定の人物がその映画に関わっていることが大きな意味をもつ映画を取り上げる。ここで言う人物とは、映像を撮った人物の場合もあれば、映像に映る人物の場合もある。建築的な言葉でいえば、施主である場合もあれば、利用者である場合も、もしくは設計者である場合もある。こうした人物と建築の関係を巡って、上映プログラムの選定を行った。

  • © BÊKA & LEMOINE
    Koolhaas Houselife
    2017年|58分|仏語
    監督:イラ・ベカ、ルイーズ・ルモワンヌ
    建築:ボルドーの家(OMA設計)
    デジタル上映 OMAの設計によって1998年に竣工した『ボルドーの住宅』を、その掃除をする家政婦の所作を追いかけることで描き出した作品。世界で活躍する建築映画作家ベカ&ルモワンヌの処女作にして傑作。

3. 図面

映画を分析・批評する目的で、映像の情報をもとに図面(主に平面図)を描き起こす方法が存在する。図面というフォーマットにより、映画に一人称ではない視点が与えられ、俯瞰的な議論の下地となる平面が生まれる。そうした映画の図面分析を通して、映画と建築の関係性を再考しうる作品を上映する。

  • © 国際放映
    雪夫人絵図
    1950年|88分|日本語
    新東宝・瀧村プロダクション/監督:溝口健二、脚本:依田義賢、舟橋和郎、美術:水谷浩、出演:木暮実千代、上原謙、柳永二郎、久我美子
    建築:起雲閣(清水組[大友弘]設計)
    国立映画アーカイブ所蔵作品
    [国立映画アーカイブ ロゴ]
    35mmフィルム上映 熱海の名邸・起雲閣で撮影された、旧華族の夫人、放蕩夫、夫人を慕う男が織りなすメロドラマ。後に『西鶴一代女』(1952年)で国際的評価を高めていく溝口健二の監督作。物語の流れに沿って効果的に建築の部分を映し出す手つきに着目し、再評価を試みる。美術監督・水谷浩が手がけるセットにも注目。

4. アーカイブ

映画の保存・継承は、映画フィルムのなかに遺されてきたさまざまな建築空間を、時間や場所を超えて体験することを可能にしてくれる。スクリーンを通して、映画によって建築を記録/伝達するこれまでの試行をその黎明期から見つめ直したい。

  • © GROUP GENDAI FILMS CO., LTD.
    チセ・アカラ ──われらいえをつくる[日本語版]
    1974年|57分|日本語・アイヌ語
    民俗文化映像研究所・グループ現代/監督:姫田忠義、製作:小泉修吉 他
    デジタル上映
    映像提供:グループ現代 消えてしまったアイヌの伝統的な家づくりとその文化的背景を伝えるため、アイヌ文化研究者の萱野茂がアイヌの青年たちと2軒の民家をつくる様子をとらえた貴重なドキュメンタリー。宮本常一に師事し日本各地の消えゆく生活文化を記録し続けた姫田忠義が監督を務めた。日本語版に加えて英語版とアイヌ語版が存在する。

5. 都市

人間の認識が及ばないほどに、概念や認識が無数に折り重なった都市の全体像を捉える方法のひとつとして映画がある。映画は自らが生み出した都市像を人びとに伝え、現実の都市へと影響を及ぼすことさえある。ここでは映画をつくる行為を通じて現実の都市へと接続する2作品を選出した

  • プロパティ Property[本邦初公開]
    1979年|88分|英語
    監督・脚本・製作:ペニー・アレン、撮影:エリック・エドワーズ、録音:ガス・ヴァン・サント、出演:ウォルト・カーティス、ローラ・デスモンド、コーキー・ハバート
    デジタル上映/日本語字幕付き(字幕翻訳:上條葉月) 1970年代のオレゴン州ポートランドで、急激に進むジェントリフィケーションから生活を守ろうとした住民たちを描く地域映画。アメリカの70年代インディペンデント映画シーンを切り拓いた女性監督ペニー・アレンによる、都市計画に対するマニフェスト的作品。その後のポートランドの変化と併せて考察したい。

クレジット
主催:建築映画館実行委員会
助成:公益財団法人 窓研究所
協力:国立映画アーカイブ、合同会社ガラージュ
企画・運営:瀬尾憲司、小田切駿、渡辺瑞帆
プログラム統括:瀬尾憲司、稲垣晴夏
プログラマー:成定由香沙、星遼太朗
渉外・上映素材制作:稲垣晴夏
宣伝:吉田夏生
英語協力:松原悠也
グラフィックデザイン:鈴木哲生
ウェブサイト:石井宏樹
ブックレット編集・校正:平井祐一
模型:ZOUZUO MODEL

 

お問い合わせ

建築映画館実行委員会/info@architectureincinema.com

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