下地窓
読み方:したじまど
土壁の一部に本塗りを施さず、竹や葭(よし)による小舞下地を露出させた窓。日本の茶室や民家に見られ、室内側には明かり障子または掛け障子が設置される。窓枠を必要とせず減算的に開口部を形成するため、形や位置を自由に決められる。
Texts From Articles (12)
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葉祥栄─光、リアル、一元論の建築
…という物質の素材性を強調する。ゴシック教会のステンドグラスが地上に天上の世界を存在させる。草庵茶室の下地窓が自然現象として変化してゆく光の表情を室内に伝える。自然や超越を象徴し、なにかを照らし、あらわ…
04 Sep 2024
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藤森照信|第二回擁翠亭の〈十三窓〉茶室がたどり着いた多様なる窓
…スサ入り荒壁のまま。窓には、竹の桟が入ったり、土壁の一部を塗り残して下地の竹木舞を露わにし、これを「下地窓」と呼ぶが、これだけでは風が入るので小さな「掛け障子」を蓋のように掛ける。 ,当時、日本の住宅…
24 Mar 2022
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擁翠亭13 墨蹟窓
,13 墨蹟窓 墨蹟窓(ぼくせきまど)は、窓の位置による名称のひとつで、花明かり窓・織部窓とも言われ、床の間の内の脇壁に開けられた下地窓のこと。床に掛けた墨蹟や花を見やすくするため外光を採り入れる目的…
06 Dec 2021
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擁翠亭11 床脇の下地窓、12 連子窓と倹飩襖
,11 床脇の下地窓 床脇の天井近くの高い位置にある下地窓は、他に類例の見られない、この茶室独自の創意で、庭の松の巨木を見上げるためのものだったと考えられている。また上部に滞留する熱気を排出・換気す…
05 Dec 2021
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擁翠亭06 / 07 下地窓と連子窓、08 躙口、09 / 10 下地窓と連子窓
,06 / 07 下地窓と連子窓 遠州が好んだ連子窓の上に下地窓を重ねる手法。下地窓の室外側には簾、連子窓の室内側は片引き障子で構成されている。 08 躙口 躙口(にじりぐち)とは、客のために設けられ…
04 Dec 2021
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擁翠亭03 風炉先窓
,03 風炉先窓 風炉先窓(ふろさきまど)は、窓の位置による名称のひとつで、点前座の風炉を置く場所の向こうの壁面に配置した窓のこと。点前座の採光と換気に役立つ。窓の形式としては下地窓が多く、高さ一尺八…
02 Dec 2021
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擁翠亭01 / 02 色紙窓
…と。窓を配置した姿が色紙ちらしの張りつけに似ていることからこの名がある。上を連子窓で両引き障子、下は下地窓にして片引きの障子で構成されている。 擁翠亭について 日本の茶室は狭い空間に多くの種類の窓を…
01 Dec 2021
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擁翠亭04 / 05 下地窓と連子窓
,04 / 05 下地窓と連子窓 連子窓の上に下地窓を重ねる手法は遠州が好んだもので、擁翠亭では三ヶ所繰り返している。下地窓は片引き障子、連子窓は両引きの襖で構成されている。畳際の小襖は他の茶室には見…
03 Dec 2021
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第3回 桂離宮 賞花亭
…きに、今出川の本邸から移築したといわれている。 ,,,軽やかな賞花亭の窓 賞花亭の窓は3つ。東と西に下地窓がひとつずつ、南に出窓状の連子窓がある。 特筆すべきは、唯一無二ともいえる、異常なまでに軽やか…
03 Oct 2018
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第2回 如庵
…つある。躙口上と躙口脇の2つの連子窓、点前座側の2つの盲連子窓2(=有楽窓)、半畳の南面にある唯一の下地窓(風炉先窓の変則ともいえよう)、そして客座上に設けられた突上窓である。 ,,なお、突上窓は明か…
10 Aug 2018
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第1回 妙喜庵待庵
…半ば自動的に決められていた2。 ところが待庵を構えるときに、利休が土壁を塗り残しただけでつくられる「下地窓」というとんでもないものを生み出してしまった。待庵以降、茶室の窓は、その位置や大きさを自由に選…
18 May 2018
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総論 窓の成り立ち《2》
…、そこに水が切れるくらいのチリをつくっておくなんていうものもあります。 窓の中で日本独特なのは、この下地窓2ですね。普通は土壁を塗り残してつくるものですが、いまではこの部分だけ塗られていない既製品を売…
31 Oct 2017