佐藤未来(東京藝術大学大学院後期博士課程映像研究科)
「窓からみる女性の権利と政治、日蘭の歴史 – フェルメールの絵画に描かれる17世紀の窓と現在のオランダの飾り窓(窓売春)に注目して」
20 Jun 2025
- Keywords
- Architecture
- WRI session
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するための場として、2025年4月20日(日)に「WRI session 研究報告会 2025」を開催し、その様子をオンラインにて配信いたしました。本記事は登壇者のひとりである佐藤未来氏(東京藝術大学大学院後期博士課程映像研究科)の講演内容を再構成したものです。
2023年にアムステルダム国立美術館で行われた史上最大のフェルメール展覧会で観た窓辺の女性が描かれた複数の絵画作品をきっかけに、フェルメールの生きたオランダ黄金時代および大航海時代の貿易先である日本の長崎の丸山遊郭と出島の窓について調査する。また、オランダの繁華街に見られる飾り窓(売春窓)の文化と第二次大戦後に建設され始めた働く独身女性のための集合住宅についても研究し、時代に翻弄されながらも生きる女性の人生について、窓を通して考察していく。
佐藤未来/Miku Sato
アーティスト。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了後、同大学院の後期博士課程在籍中。2019年より文化庁新進芸術家海外研修制度でオランダに滞在し、現在はオランダと日本を拠点に制作および研究をしている。近年は主に映像作品を制作しており、ロッテルダム国際映画祭、広島国際映画祭、Taiwan International Video Art Exhibition(鳳甲美術館、台湾)などで上映、作品発表。女性の人生と政治、文化の関係性に注目した活動を行う。
