福島加津也(東京都市大学 教授)
「建築の”擬”術 ―日本の古建築における構造と化粧のズレと現代的なデザインへの応用―」
04 Jun 2024
- Keywords
- Architecture
- History
- Japan
- WRI session
公益財団法人窓研究所は、当財団が関係した研究の成果を共有するための場として、2024年4月20日(土)に「WRI session 研究報告会 2024」を開催し、その様子をオンラインにて配信いたしました。本記事は登壇者のひとりである福島加津也氏(東京都市大学 教授)の講演内容を再構成したものです。
日本の古建築に見られる構造と化粧のズレに着目し、それが現代の建築デザインにおいて応用可能な参照源となることを示すものである。このズレは近代以降に不純であるとされて、これまで建築家に参照されることはなかった。その表現手法を 「まがいもの」を意味する「擬」という字を用い擬術(ぎじゅつ)と名付けて肯定的に評価し、古建築に対する新たな認識を構築する。それは、これまでの大仏様の構造美や桂離宮の即物美とは異なる、見過ごされてきた古建築の美的価値である。
福島加津也/Katsuya Fukushima
福島加津也+冨永祥子建築設計事務所/東京都市大学建築学科教授。建築家。1968年まれ。1990年武蔵工業大学(現東京都市大学)建築学科卒業。1993年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。1994~2002年伊東豊雄建築設計事務所。「工学と美学」をテーマに建築設計と研究、出版を行う。主な建築作品に「中国木材名古屋事業所」「柱と床」「木の構築/工学院大学弓道場+ボクシング場」「高床の家」など。主な著作に「Holz Bau」「ex-dreams」など。主な受賞に、JIA新人賞、住宅建築賞金賞、日本建築学会賞(作品)、DAM ARCHITECTURAL BOOK AWARDなど。