戦時下の1棟あたり30.25坪以下という面積制限から東西2棟の分棟形式で建設され、施主である林芙美子の「東西南北風の吹き抜ける家」へのこだわりが随所に見られる和風住宅である。各部屋には2面以上に窓が配置され、通風を確保する仕組みが設けられている。茶の間を囲む広縁には縦桟1本を入れただけの大きなガラス引き戸6枚がコーナーを周り、南面の植生豊かな庭と繋がる。台所、風呂、女中室などのサービスエリアの窓まわりも工夫を凝らしており、北側の台所には人造石研ぎ出しの流しの上部に300mm張り出した出窓を壁一面にわたって設け、北庭に反射した光を取り込んでいる。
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