03 Feb 2021
北海道余市町にある南保憲亨氏が経営する燻製小屋。えびやインディアンサーモン、帆立やにしんを主に扱っている。燻製には適用温度によって熱燻、温燻、冷燻の大まかに3種類の技法がある。ここでは20℃程度の煙でおよそ1〜3週間かけて燻す「冷燻」の方法を用いてじっくりと燻煙し、薫りをつけ黄金色の燻製に仕上げる。燻煙には北海道特有のカバ材とナラ材をブレンドしたおが屑を使用している。小屋の中の温度は、紐を引くことで下部の板が開閉する横桟のついた越屋根窓と、燻製室の木製引戸の足下の小さな開き戸とその向かいの小さい換気窓の3つを調節することによって一定に保たれる。また、引戸には中の様子を確認するのぞき窓もある。
南保留太郎商店
(魚介の燻製/北海道余市郡余市町)
本コラムは、世界の窓辺とそのふるまいについて、東京工業大学 塚本由晴研究室との共同研究「窓の仕事学」から抜粋したものです。