04 Jun 2021
兵庫県の赤穂市海洋科学館に復元された製塩所。瀬戸内海の穏やかな気候に恵まれた赤穂は、古くから塩づくりの町として知られている。現在は、工場内で製塩する方法が主流だが、かつて塩田でつくられていた。鹹水(かんすい=濃い塩水)を鉄釜で沸騰させ、結晶塩ができると居出し場に移してにがりを垂れさせ、乾燥させる。その際に発生する湯気を排気するために、うそぐちと呼ばれるがらりと角型の覆いが妻面に取り付けらている。この覆いは窓からでる水蒸気によって屋根の茅が腐らないようにするためのものである。
復元塩田釜屋
(塩/兵庫県赤穂市)
本コラムは、世界の窓辺とそのふるまいについて、東京工業大学 塚本由晴研究室との共同研究「窓の仕事学」から抜粋したものです。