WINDOW RESEARCH INSTITUTE

連載 窓の仕事学

廊下/漁船とニシンの倉庫の窓

塚本由晴研究室(東京工業大学)

24 Mar 2021

北海道開拓の村にある木造平屋建ての漁船倉庫。廊下とは、陸揚げしたニシンを一時収蔵するための施設のことをさす。漁期後は船・櫓・れいなどの大型の漁労具や加工用具を収納する倉としても利用された。積丹町や小樽市に現存する廊下や、ニシン漁が盛んだった積丹半島周辺地域に明治から大正期にかけて建てられていた廊下を参考にして復元された。板を柱の溝にはめ込んだ、落とし板構造で設計されている。落とし板の取手をつかんで柱上部に掘られた溝から取り外せ、一部の柱を取り外すことができる。落とし板や柱を取りはずして、船や漁具の出し入れや、ニシンをさばく「ニシンつぶし」と呼ばれる加工作業の際にニシンの出し入れをする。

北海道開拓の村 廊下
(倉庫/北海道札幌市)

本コラムは、世界の窓辺とそのふるまいについて、東京工業大学 塚本由晴研究室との共同研究「窓の仕事学」から抜粋したものです。

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