-
「Light is Light and Light(光は、明るく、軽い)」
…88)もまた、屋根によって他のいかなる建築とも峻別される。《木下クリニック》(1979)は、窓と光という観点から見ても、非常に興味深い建築で…
-
第6回 記憶をもった窓
…えられてきた。西洋の伝統的な絵画とは一般に、布のキャンバスや木製のパネルを支持体とし、油絵の具やアクリル絵の具などを媒材として描かれる。それ…
-
第5回 窓をかさねて、とおりぬける
…在である。 「Liminal」展は2022年、神楽坂にある木造アパート「柿の木荘」で開催された。このアパートの改修工事の前後の時間と空間の…
-
葉祥栄 光をめぐる旅――イントロダクション
…ダ建築センター(CCA)にも葉の資料の一部が所蔵されている。木造表現とデジタルデザインの先駆者として再評価の機運が高まる気鋭の建築家は、「自…
-
ジャン・プルーヴェの窓 #3 ――《ヴィルジュイフの仮設小学校》の窓
…ルミ型材の蝶番部材を固定するボルトを利用して、室内側に棚や、木板の目隠しパネルなどをアタッチメントできるようにもなっていた。可動する機構、そ…
-
原広司「粟津邸」の窓 闇を照らす光の空間
…るように思われる。実際のところ、今後の住宅開発によって周囲の木立や自然が失われることを見越して、「窓からの風景はなしと考えたほうがよいとすれ…
-
第11回 どこかでつながり、どこまでも抜けていく 陳其寬《東海大学衛理会館》編
…こし離れた台地の傾斜をそのまま取り込み、「文理大道」という並木道を中心としながらも非対称に計画されたキャンパス。台湾の有名な大学をいくつか訪…
-
藤森照信|第八回 軽井沢夏の家の〈横長連続窓〉モダニズムの夢が日本で実現
…より〈鳳凰殿〉と名付けられ、名の通り宇治の平等院を基に伝統の木造でつくられていた。今の目で見れば、寺院と書院造と数寄屋造の入り交じったややヘ…
-
藤森照信|第七回 臨春閣の〈障子〉
…になるが、 「障子」 とキッパリ答える。 薄くて白い紙と細い木の桟のグリッド。これほど薄く平明なつくりの建築部材は世界でも日本にしかなく、よ…
-
吉村順三・奥村昭雄「愛知県立芸術大学」の窓 自然と棲まう具体の科学
…るのはなぜか、ということだ。 設計者の吉村順三と奥村昭雄は木造住宅を起点として実践してきたが、彼らはこのような「棲まう」風景をどのように先…
-
第10回 波打つ学校 陳仁和《三信家商波浪大樓》(高雄)編
…的な人造石研ぎ出しとなっており、教会に並ぶベンチも鉄パイプと木の板でできたシンプルなものである。その親しみやすさは、陳仁和が「台湾初の地域主…
-
桂カトリック教会
…壁が支えるシンプルな構造で、内部は手仕事によって生み出された木の家具で構成されている。 桂カトリック教会の聖堂にはコンクリートの丸窓と木製の…
-
藤森照信|第六回仁和寺金堂の〈蔀〉
…な桟で片側のみから固定すれば軽くできるが、そうしなかったのは木の枝を密に組んで両側から押さえた古式を守ったからだった。 蔀と書いて「しとみ」…
-
ザ・プリンス 軽井沢:清家清の窓の素材性
…緑の季節に、私たちは軽井沢プリンスホテルを訪れました。唐松の木立の中に茶色の屋根と窓の反復が見えてきます。窓について、清家清は「間戸」という…
-
第9回 風の吹く県庁舎 象設計集団《宜蘭県庁舎》編
…下がつくれることに感動した。それは台湾でよく見るガジュマルの木の下のような暗さと風通し、あるいはチーロウにも似ている。 池だけではなく、なぜ…
-
風景の観察から建築が始まる──ヨハンセン・スコブステッド・アーキテクター インタビュー
…トのレリーフが再現されていますが、今回はコンクリートではなく木を用いています。 テラスへつながる階段では、あえて一度非常に強く空間を収縮させ…
-
ゲッセリウス・リンドグレン・サーリネン設計ポホヨラ保険会社ビルのショウウィンドウ
…粗く仕上げた花崗岩を使ったアーチのショウウィンドウが反復し、木製窓枠はファサード表面より約50cm奥に据えられることで、ファサードに施された…
-
第8回 鳩小屋の浮かぶ町
…る。 外から見ていると分からなかったが、ガラリは意外にも全て木製で、繊細なつくられ方をしている。二つある小屋はレース時期が違うのだそうだ。そ…
-
第4回 窓に光はとどまるか:栗本百合子さんの窓
…ところで、栗本と同じくビルの高いところ、とはいえこちらは六本木の高層ビルの53階から街並みを見下ろす大きな窓を赤いフィルムで覆った作家がいる…
-
藤森照信|第五回旧閑谷学校講堂の〈火灯窓〉日本らしくない日本の窓
…を通すのを窓というなら、日本の伝統的建築に窓はなかった。細い木の柱で屋根を支えるだけで壁体というものがなかったのだから当然だろう。しかし一つ…
-
「札幌の家・自邸」の試み
…建てられた鉄骨造平屋の、上遠野の自邸である。カラマツとヒバの木立に囲まれた豊かな環境のなか、経年したコールテン鋼のフレームとレンガ壁が美しい…
-
ヘルツォーク&ド・ムーロン
…いといった事態も想定しなければなりません。 また、手すり子の木製丸棒は光を反射するアクリルガラスのダボで連結されていますが、これは建物全体に…
-
第3回 杉浦邦恵 私の窓
…とで生み出せる絵画作品を作ってみようと構想した。公園や海岸で木、岩、砂利、花などをとってきて、接写することも試した。暗室で感光剤を塗布したキ…
-
藤森照信|第四回 旧グラバー住宅の〈フランス窓〉インドから日本へとたどり着いた窓
…には、この形式の窓が設けられています。現存する日本最古の洋風木造建築に、どうしてフランス窓が採用されたのでしょうか。その謎に迫ります。 …
-
第2回 畠山さんと杉浦さんの合間に
…に現像し、アクリル絵の具で着色されたキャンバスと組み合わせて木枠に収めた作品たち。写真が捉えたニューヨークのとある場所と、傍らに象徴的に添え…
-
第7回 山を降りるスレートの村 屏東編
…ては、かなり貴重な資料となっている。それらの家は基本的に石か木を使った素朴なものであるが、その中でもパイワン族(原住民の中で二番目に大きなグ…
-
聖なる侵入アルド・ロッシの窓
…シュの扉と窓が設けられた。扉のメッシュの間からは、内部にある木製のレタブロが透けて見え、内は風が、わずかに雨が侵入する。ロッシ自身の言を引く…
-
黒石いずみ(建築理論家)「窓をめぐる生活世界のコロナ考現学」
…形県の高校生との交流でわかったことがあります。山形県の場合、木造の戸建ての家が非常に多く、多世代同居が多いこと、そして農家では職住近接が普通…
-
金野千恵(建築家)「窓からみた健康へと向かう建築」
…街市の小規模多機能型居宅介護施設「なっつらぼ」と、神奈川県厚木市の認可保育園と放課後等デイサービス施設「カミヤト凸凹保育園」です。なっつらぼ…
-
西川純司(社会学者)「近代日本における感染症と微気候をめぐる実践」
…(谷藤 2019)。 鞆の浦を一望できる山手にあるのですが、木造平屋建ての主屋に対してサンルームとなるスペースを後から増築しています。間口が…
-
アルネ・ヤコブセン設計ハービー小学校のホール
フュン島にあるハービー小学校の絵などが飾られる2層吹き抜けのホール。勾配屋根と壁の境界をまたぐ窓が3つ反復しており、北向きの天空光がホールに…
-
EMIアーキテクテン
…たちにしました。 この三連窓のつくりは割とシンプルで、金属と木でできた枠をもつ開き窓の形式をとっていますが、特異な点があります。サッシを窓枠…
-
第6回 誘うチーロウ
…の鹿港ルーガンでは、天候に対応するために清の時代から存在した木造によるアーケードが、近代の都市計画によって、今日目にするような道路両端のチー…
-
奄美編 島口(徳之島母間方言)における「まど」
…じである 2。 かつて、島で一般的であった茅葺きの家には、木の板からなる「やどぅ[jadu](家戸)」 3はあった。しかし、ガラスが嵌め込…
-
藤森照信|第三回 三田演説館の〈上げ下げ窓〉
…洋風建築と日本の伝統建築の折衷を試み、見事に成功する。建物は木造でありながら全体としては洋風に見え、ガラス窓もはまり、防火性能もそこそこ保証…
-
第5回 辺境の小窓 馬祖・後編
…みであるが、内部の床や屋根は石積み壁の中に建てられた柱・梁の木造架構からできている。こうした入れ子式の民家を、僕は東チベットで見たことがある…
-
札幌農学校第2農場 穀物庫/コーン貯蔵のための窓
…セッツ地域の穀物庫を参考にして建てられた。1階の縦、横方向の木製のスノコ状壁の間に2階床からコーンを入れて、腐敗しないように自然通気をしなが…
-
第4回 辺境の小窓 馬祖・前編
…ような小屋に開けられたおよそ20cm四方くらいのもので、中に木戸がはめ込まれている。さすがに小さすぎると思う。こんな小さな窓にどれだけの意味…
-
第0回 古今東西のマドソト建築 加藤耕一 × 大西麻貴+百田有希(o+h)× 伏見唯
…べく早く閉じるようにつくられています。まるで林に生えている樹木がそのまま床柱になるような、特殊な育て方をしている、京都ならではの林業です。 …
-
第0回 植田実 窓際を読み解く6つのトピック
…ンです。1階は鉄筋コンクリート造で縦長窓が付いていて、2階は木造でぐるりと窓が続いている。リボンウィンドウですね。 植田 一辺の両端に、…
-
第1回 吉阪隆正《三澤邸》山の斜面にお辞儀して のぞき込む窓
…れている。各ガラスを囲む厚みのあるラワンの桟は、目の前の山の木々のような深い緑色に塗装されていた。確かに吉阪の言葉どおり、木のやさしい手ざわ…
-
第1回 吉村順三《旧・園田高弘邸》(現・伊藤邸)庭へ誘う掃き出し窓と、 場所をつくる腰窓
…の隣を見ると、露台に向かって南向きに掃き出し窓(③)が付く。木製ガラス戸と障子は壁の中に引き込めるようになっている。内法高さは6.5尺(約1…
-
三岸アトリエの窓、変化と継承
…ているが、これは後年になって取り付けられたもので、竣工時には木サッシのはめ殺し窓(一部は通風のための突き出し窓)が採用されていた。 山脇自身…
-
藤森照信|第二回擁翠亭の〈十三窓〉茶室がたどり着いた多様なる窓
…ま。窓には、竹の桟が入ったり、土壁の一部を塗り残して下地の竹木舞を露わにし、これを「下地窓」と呼ぶが、これだけでは風が入るので小さな「掛け障…
-
擁翠亭11 床脇の下地窓、12 連子窓と倹飩襖
11 床脇の下地窓 床脇の天井近くの高い位置にある下地窓は、他に類例の見られない、この茶室独自の創意で、庭の松の巨木を見上げるためのものだ…
-
子規堂/勉学のための曇りガラス窓
…る低い机があり、自然光を利用して勉学に励んでいた。窓の外には木の格子がある。 子規堂 (書斎/愛媛県松山市) 本コラムは、世界の窓辺とそのふ…
-
第3回 涼亭の行方 蘭嶼・後編
…。シェルターとしての地下屋の切実さとは対照的に、4本か6本の木の柱に屋根が架かっただけの「からっぽの床」は、なんともあっさりとして、呑気なも…
-
藤森照信|第一回 平野家住宅の〈ガラス戸〉光を通す魔法の障子がやってきた
…崎出島のオランダ商館で、在留するオランダ人の食堂、といっても木造の伝統的建築に何枚ものガラスをはめたガラス戸が用いられていた。 その後すぐ、…