窓コラム

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November 8, 2016

第4回 烏鎮・「景区」外の家 (後編)

「あなたの家」「あなたの家」と繰り返しながら、景区外の町を爺さんと40分ほど歩いたと思う。その間に何やら新しい大きな建物の建設現場を見たり、舗装されていない細い道を歩いたりと、観光地とは違った生活のシーンをたくさん見た。ついに爺さんの家らしい場所にたどり着いた(あとで気付いたことだが、僕は「あなたの家」という単語さえ間違えていた)。
その家は平屋で、レンガを積んだ壁を白く塗った閉鎖的な家であった。屋根の瓦は景区で見た古い建物と似たようなもので、よく見るとレンガの積み方も似ている。景区外といってもそこに共通点はあるように思えた。ここも一気に建てられたのだろう、周辺にも同じような家が並んでいる。

  • 案内された爺さんの家の正面
October 5, 2016

第3回 烏鎮・「景区」外の家 (前編)

上海からバスに乗って2時間、浙江省北部にある烏鎮(Wuzhen)という町に着く。ここは水郷の町として有名な観光地である。上海も含めたこのあたりは、中国古代文明を支えた、長江によってできた三角州上に位置している。そのため起伏はなく、縦横に水が巡り水郷集落が多く残っている。多くの中国人観光客にまぎれて、まずは僕も「アジアのベニス」と形容されるその観光地を目指した。

1300年の歴史がある烏鎮は、十字に走る川によって東西南北に分かれている。その中で「景区」(=景勝地、風致地区)と呼ばれる東西の区域は、政府による管理がなされ、多くの人で賑わっている。

僕が向かった「西柵」と呼ばれる西側の観光地では、元々住んでいた住民がすべて移住し、近隣に新しく建てられた住居に住んでいるのだという。つまり村の抜け殻の中に、飲食店や宿が入った場所なのであった。政府の観光政策だというが、その方法が良いのか悪いのかはわからない。ともかく、建物に罪はない。

  • 烏鎮、西柵の風景。もとの住民は既に移住し、建物だけが残る
September 21, 2016

第2回 上海・窓から生える鉄の棒 (後編)

見るものが決まると、足取りは一気に軽くなる。鉄の棒を探す旅のはじまりである。といっても、10歩も歩けばすぐに見つかる。さっそく、当然のように無数の鉄の棒が生えている集合住宅を発見した。鉄の棒の下には何台か車が停まっているが、落ちてきたりしないのだろうか、少し不安になる。

  • 無数の鉄の棒の下には、車が停まっていた
September 6, 2016

第一回 上海・窓から生える鉄の棒 (前編)

上海に来て、騒がしさに驚いた。わるい意味じゃない。食堂に行っても市場に行っても、自分を主張しないと話なんて聞いてもらえないような場所が上海だった。立ち並ぶ高層ビル群は、中国最大都市としての発展をものがたり、そのシルエットは、地下鉄の切符を飾るアイコンとなっている。

  • 高層ビルのシルエットがあしらわれている地下鉄の切符
March 18, 2015

窓の彩りを考える

テキスタイルコーディネーター/デザイナーの安東陽子さんは、ベテランから若手まで多くの建築家が手がけた作品において、窓まわりのテキスタイル演出を担当。窓に彩りを加えると、空間がより表情豊かになります。安東さんのこれまでの作品の一部を振り返り、窓の彩りについて考えてみましょう──

  • 「SUS福島工場社員寮」2005年 (株式会社布 在職中作品)
    設計:伊東豊雄建築設計事務所、 写真:阿野太一
March 9, 2015

庭園美術館の窓

Sumally (サマリー) 』とは、“Want(欲しい)”、“Have(持っている)”の2つでモノを分類していく「この世界に存在するすべてのモノの"百科事典"」をコンセプトに誕生した、ソーシャルネットワーキングサービスだ。そのSumallyの立ち上げ人でCEOの山本憲資氏は、ファッションカルチャー誌で編集者として活躍した経歴を持つ。現在でもトレンドカルチャーを体感することは欠かさない山本氏が、2014年11月にリニューアルオープンした東京都庭園美術館に足を運んだ。アール・デコ様式の建築が生み出す、窓と光の関係についての考察──

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December 11, 2014

衣食住の窓

マガジンハウスのクオリティライフ誌『& Premium』エグゼクティブディレクターで、編集者の柴田隆寛氏。著書『TOOLS』、『リサ・ラーソン作品集』や、ウェブマガジン『LIFECYCLING』『ONE DAY -犬と僕たちの生活』のディレクションなど、これまでに数々のライフスタイルの提案をおこなってきた柴田氏が感じた、「衣食住の窓」とは──

November 25, 2014

猫とファッションと窓

猫とクリエイターをテーマにしたウェブマガジン『ilove.cat』を主宰、また、東京スタイルを提案し、いまやファッション業界を代表する媒体のひとつとなったウェブマガジン『honeyee.com』、『.fatale』などでフリーランス編集者としても活躍する、服部円さん。愛猫のスカイ、そして自身も現地に取材へと出向いた2015S/Sパリコレクションを通した、猫とファッションの“窓”の風景について──