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窓学展巡回展@大阪市立大学

12 MAY - 10 JUN,2018

  • 大阪展の会場の様子

窓学10周年を記念したエキシビション「窓学展 −窓から見える世界− 」の巡回展が、4会場目となる大阪市立大学で開催された。会期は2018年5月12日(土)から6月10日(日)までの30日間。最終的な来場者数は506人となり、東京・青山のスパイラル展から通算すると約18,400人となった。

  • 「窓」を通して見える外の風景

会場は、高原記念館の学友ホール。これまでの配置計画では、窓をイメージした展示用の什器が一列に並べられていたのに対し、本会場では、複雑に入り組んだ外壁のガラス面を活かし、ガラス面と平行になるように什器を配置した。7つの研究展示を紹介する什器の「窓」には、会場を取り囲む緑が垣間見え、窓としての存在感をより際立たせている。来場者からは、「窓を覗き込みたくなる」「展示会場と展示内容が呼応した良い展示構成だった」「窓からの眺めがとても良く、外からも展示空間を眺めることができ、興味が湧いてくる」という意見があり、これまでの巡回展とは異なる展示空間を実現することができたのではないだろうか。

  • 展示物の配置計画

また、5月12日(土)15時より、田中記念館ホワイエにて、トークイベントが開催された。窓学総合監修で東北大学教授の五十嵐太郎氏と、アーティストの山本麻紀子氏を迎え、建築家で大阪市立大学教授の宮本佳明氏がモデレーターを務めた。これまでのトークイベントでは、ゲストとして建築関係者を招いていたが、今回はアーティストを招くことで、新たな視点を交え、窓について討論する貴重な機会となった。

  • トークイベント会場の様子

冒頭、YKK AP窓研究所の山本所長から、窓学10年間の研究の経緯や東京展の様子などが紹介された。それに続き、五十嵐太郎氏から、これまで五十嵐研究室が行ってきた絵画・映画・漫画などの文化・芸術と窓との関係性に関するレクチャーが行われた山本麻紀子氏からは、ロンドンを舞台とした窓を通して描かれるドローイング制作についてお話いただいた。山本麻紀子氏のドローイングは、窓越しに見える家の中の風景から、その人の暮らしを想像し、ひとつの物語としてつくりあげていくというもの。その後の三者によるディスカッションでは、私たちの日常で当たり前となっている窓を多角的な視点から考察することで、窓は建物の内外を決定づける要素であると同時に、内外を視覚的・感覚的に繋ぐ要素であることが鮮明となった。

  • 盛り上がりをみせたディスカッション

今回の会場は、学内の文系エリアに位置していため、文学部や経済学部など、これまでの大学ではあまり見られなかった学生から多くの意見を得られた。「窓というものに様々なアプローチがあることを知った」という来場者からの意見からも分かるように、工学的な視点のみならず、文学的・芸術的な視点から窓を捉えることで、窓の奥深い世界を更に探求することができたと感じている。これを機に分野の垣根を超えた、窓の多角的な研究の広がりを見せることが期待される。

  • 開放感の溢れる会場でゆったりと鑑賞する来場者

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